リノベ・中古マンションが安くなる時期とは?新型コロナウイルスが与える影響は?2020年05月20日

人口減少もあり「中古マンションはいつか安くなる時期がくる」という話題も少なくありません。またコロナ禍の影響を受けて経済危機を迎えている今、マンション全体の価格も下がるのではないかと予想している人もいるでしょう。

しかし、過去の事例を見てみると、東日本大震災やリーマンショックの影響を受けても、マンションの価格はそれほど下がることはありませんでした。今後本当にマンションの価格が安くなる時期は来るのでしょうか。ここでは、新型コロナウィルスが不動産に与える影響や、中古マンションが安くなる時期について解説します。

中古マンションは思ったほど安くならない

中古マンションと聞くと、新築マンションよりも古くて安いイメージがあります。築年数も経過しており、誰かが住んだ後ならば安くなって当然と考える人もいるでしょう。しかし、実際のところ中古マンションはそれほど安くはなっていないのです。

中古マンションの価格が高い理由はいくつかありますが、まずは「地価の上昇」があります。特に東京においてはオリンピック開催という目玉行事があり、それに伴い都市部の土地が高騰しています。人気エリアにはすでにマンションが建てられていることも多く、それらの中古マンションの需要が高まっていることから、人気エリアほど中古マンションの価格は下がっていません。

また、日本は人口減少やオリンピックのインフラ整備などにより、建築業界の人材が不足しています。伴って同時に建築材料も高騰しているため、昔に比べるとマンション建設には大変なコストが掛かっています。これにより新築マンションの価格は軒並み高くなり、それに引っ張られる形で中古マンションの価格も上昇しているのです。

中古マンションに与える新型コロナウィルスの影響

日本に限らず、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス。これにより経済は大打撃を受け、飲食業界を中心に失業者が増えています。この影響は数年続くと予想され、中小企業を中心に倒産が相次ぐのではないかと懸念されています。

そのような状態になると、マンションの価格も下落することが考えられます。単純にいえば、
「コロナの影響により物が売れない→会社の利益が少なくなる→働く人の給料が減る→貯金もままならず分譲マンションは買えない→マンションは価格を下げざるを得なくなる」
といった図式が考えられます。しかし、マンションをはじめとした不動産にはさまざまな金融政策がとられるため、このように単純な流れで即座にマンションの価格が下がることは少ないのです。

思ったほど値下がらないという予想

今のコロナ禍の状況は、2008年に経営破綻して世界的中に経済危機を引き起こした「リーマンショック」の時と似ています。リーマンショックにより日本でも日経平均株価が大幅な下落を迎え、非正規雇用の雇い止め問題などが起こり失業率が増えるなど、多大な影響を受けました。

しかし、マンション価格に注目すると、意外なことにリーマンショックの後でも大きな落ち込みはなかったのです。リーマンショックが起きた2008年には5%ほどの下落がありましたが、その後は順調に回復し、現在ではバブル期を彷彿させる水準までマンションの価格は上がっています。

基本的に新築マンションの場合、土地の購入は建設が行われる、1年前には手続きをしているので、不況によって経済が悪化しても、流れに従って価格や価値を変更することはできません。そのため新型コロナウィルスにより世間が大きな不況を迎えても、新築マンションの価格もすぐに下がるということは考えにくいのです。

中古マンションの価格は市場価値に従い、新築マンションの価格と比例していることも多く、新築マンションが大幅に下落しない限り、同エリア内の中古マンションも値下がることはありません。こうしたことを踏まえると、新型コロナウィルスの影響を受けたからといって、中古マンションが安くなる時期が絶対にくるとは言い切れないでしょう。

1億円を超えるマンションは下落の可能性

ここまでをまとめると、新型コロナウィルスの影響を受けても、それほど中古マンションの価格が下がることはないといえるでしょう。但し、例外もあります。それは「1億円を超える高級マンション」です。

いわゆる億ションと呼ばれるハイクラスな物件は、一般家庭が生活をするために購入する物件とは異なり、一部の富裕層や投資家の人たちの別宅または最初から売却を目的として購入されているケースが多いです。このような物件を購入できる資産を持つ人達は、他にも金融資産をたくさん持っているため、程度の差はあれどコロナショックによる打撃を避けて通れません。

経済が悪化すると億ションの買い手はいなくなり、すでに持っている高級物件を安い価格で手放す投資家も増えてくると予想されます。1億円を超えるような高級マンションは安くなる時期が来ると予想されているため、ある程度資産のある人にとっては、買い時のチャンス到来となるかもしれません。

東京オリンピック後はどうなるか

中古マンションが下落するのでは、と囁かれる理由のひとつに「東京オリンピック」があります。コロナ禍の影響で、やや先行き不透明になってきた東京オリンピックですが、それでもオリンピックに合わせて都内にマンションを購入したいという人は多いです。

オリンピックが終わってしまえば、都内を中心に中古マンションが安くなる時期も来るのでは?ともいわれています。ここからは、東京オリンピックが終わった後のマンション販売価格について触れていきましょう。

過去のオリンピックを比較してもそれほど暴落することはない

東京オリンピック後のマンション価格を予想するにあたり、各国で開催されたオリンピック前後の不動産価格を調査したところ、どの国でもオリンピックが終わった後、周辺の不動産価格が目に見えて落ち込むというようなことは、ほぼありませんでした。

むしろ、2012年に行われたロンドンオリンピックにおいては、不動産価格が上昇しています。この時期はリーマンショックの影響を受け、ロンドンの経済も不安定だった頃です。ロンドンはオリンピックが終わった後も、世界的なイベントの開催を見越して、大規模な都市計画を立てていました。それにより不動産取引量が活発になり、ロンドンの不動産は前年比に比べ4割近く上昇したのです。

東京オリンピックの開催時期は、コロナショックが終わった後と予想されており、リーマンショックの影響を抱えた当時のロンドンオリンピックに似ています。同じ通りなるとは限らないものの、コロナショックから立ち上がる時期と重なることもあり、マンション価格は上昇する可能性も大いにあります。つまり、オリンピックが終わったからといって中古マンションの価格が途端に暴落するといったことは、考えにくいでしょう。

なぜ中古マンションの安くなる時期はないのか

このようにマンションは、コロナショックがあっても、東京オリンピックが閉幕しても、そう簡単に価格が暴落することはないと予想されています。

しかし、「人口減少」や「マンションが飽和状態になっている」今、なぜ中古マンションは値下がることはないのでしょうか。ここからは、中古マンションがなかなか値下がらない理由について説明していきましょう。

海外観光客や投資家の影響

日本を訪れる外国人観光客は年々増加傾向にあります。コロナの影響で今は海外から日本を訪れる観光客はいませんが、2018年には予想を大きく上回る3,000万人もの訪日外国人がいました。ここまでの訪日客を予想していなかった日本ではホテルが足らず、民泊といった新しい宿泊システムが解禁されました。

この民泊に活躍したのが中古マンションです。買い手が付かなくなった古いマンションでも、リフォームをすることにより宿泊場所として使用することができ、コロナ禍が終息した後も普及することが予想されています。外国人観光客が利用してくれることにより、使い道のある中古マンションの価格は安定するのです。

そして、ここ最近マンションの購入者は中国人を中心に外国人購入者が増えています。日本の不動産市場は変動が少なく安定感しているため、アジア圏の富裕層から特に人気があります。日本の人口が減って買い手が少なくなっても、海外からの需要が高いため、日本の不動産はそれほど値下がることがありません。

ライフスタイルの変化によって都内マンションは高騰

そして私たちのライフスタイルの変化により、都内のマンションは築年数が経過していても売れるようになりました。それは「都市部集中型」の生活が主流になったためです。

都市部集中型の生活が生まれた要因はさまざまありますが、まずは「共働き世帯」が増えたことが挙げられます。女性が専業主婦として家庭で子供を育てることが主流だった時代には、外に働きにでるのは夫だけであり、経済面や利便性などを考え、都心よりも郊外のベッドタウンを選択する家庭が多かったです。

しかし、バブル崩壊後に女性の社会進出が進み、夫だけでなく妻も通勤するようになり、より利便性の高い場所に人気が集中してきました。最寄駅の徒歩圏内であったり、病院や学校など公共サービスの近い場所に住むことを望む人が増え、都内のマンションは中古であってもすぐに売れるようになりました。行政サービスが行き届いている都内は人気エリアとなり、中古マンションの需要は高まっています。

中古マンションは欲しい時が買い時

ここまでの説明で、都内を中心に中古マンションの値段が急に下がるということはあまり考えられないということが、分かっていただけたかと思います。郊外の中古マンションであれば安く購入することも可能ですが、その場所で自分のライフスタイルが快適に送れるかどうかは見極める必要があるでしょう。

中古マンションは待っていれば値下がる、というのは危険な考えかもしれません。ここからは、マンションの価格が安くなることを待つデメリットについてお伝えしていきます。

値下がりを待つとローンが組めなくなる可能性

マンションを購入する人の多くは住宅ローンを組むでしょう。住宅ローンの最長は35年であり、この期間で組める年齢は44歳までといわれています。そのため、購入を考えている人が40歳を超えている場合は、ローンの組み方も検討しなくてはなりません。値下がりを待つうちに年齢を重ね、長期ローンが組めなくなってしまい、困る事態も予想されます。

また、今は住宅ローン金利の低い水準が続いています。コロナ禍の影響もあり、当面は低い水準が続くことも予想されるでしょう。しかし、この低金利は絶対に約束されるものではありません。しばらくは低金利だからマンションが安くなるまで待とう、と思っていたら、いきなり金利が上昇してしまうこともあるのです。

そうなると、仮にマンションが安くなったとしても、金利が上がることにより、支払う金額が多くなってしまうこともあります。低金利のうちに「これだ!」と思う物件を見つけたら、そのときが買い時です。

値下がりを待ったことによる失敗事例

中古マンションの場合、年数が経つにつれ価格は下落するのが一般的です。特に築浅の場合は20年を目安に、販売価格は徐々に下落していきます。

そのため、良い中古マンションを見つけても「もう少し値段が下がるのを待ってみよう」と考える人もいます。しかし、数年後にも希望する価格で購入できればいいのですが、次のような失敗例もあるので気を付けましょう。

・待っているうちに他の人が購入してしまった
・資産価値が下がった
・眺望が悪くなってしまった

値下がりを待つことにより、良い物件が他人に取られてしまうケースは多いです。魅力的な物件ほど、どうしようか迷っている間に他の人に購入されてしまうこともあります。そうなるとその物件を忘れることができず、長い間後悔することにもなるでしょう。

そして築浅の中古マンションの場合、購入時期が遅くなればなるほど、そのマンションの資産価値は下がっていきます。いざ売却しようとしても、資産価値は購入時よりかなり下がってしまうこともあるので注意しましょう。

また、タワーマンションに多いのが、近隣に似たようなマンションが建ち、眺望が悪くなってしまうケースです。新築時は素晴らしい眺望だったのに、価格が下がってから購入をした途端、似たようなマンションが隣に建って景観が損なわれてしまうケースもあります。

まとめ

今回の内容をまとめると「中古マンションの安くなる時期はなかなか来ない」といえます。新型コロナウィルスの影響を受けても、東京オリンピックが終わっても、過去の事例を見る限り、それほど不動産が大打撃を受けることは考えにくいです。

大幅に安くなる時期がないのであれば、中古マンションの買い時は「ときめいた物件に出会ったとき」です。値下がるのを待っていればいるほど、マンションの資産価値は下がり、ローンも組みにくくなります。中古マンションは自分が購入したいと思ったタイミングと適切な価格かを判断し、後悔がないよう上手に購入しましょう。