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【中古マンション購入の流れ】物件探しやローン契約のポイントを分かりやすく解説
2021.11.04
中古マンション・不動産
2020.05.27
中古マンションを購入しようと思った時、数多く存在する中古マンションの中からどうやってお気に入りの物件を選びますか?
予算や立地条件はもちろん大切ですが、築年数も気になるところですよね。
築年数の浅い物件はキレイで魅力的ですが、価格が高く予算をオーバーしてしまう可能性があります。
だからといって、築年数が40年あるいは50年以上経過しいると老朽化や耐震が心配という方もいらっしゃるでしょう。
築年数が50年以上のマンションというと、建て替えの可能性があるのか?といったことや、耐震に関する不安もあると思います。
またそもそも築年数の古いマンションは資産価値があるのか?といったことも不安に思うかもしれません。
「築40年や50年だと古すぎるけど、築30年くらいのマンションであれば買っても後悔しない」、という意見もあります。
今回は、中古マンションの選びかたついて、本当に築30年のマンションが良いのか、また狙い目の築年数についても、解説していきます。
「中古マンションの築年数のおすすめは?」と聞かれることが、よくあります。
「築年数10年未満がよい」という方や、「築年数20年未満がよい」という方、あるいは「いや築年数25年未満がよい」、といった様々な意見があります。
フルリノベーション施工を行う会社では「築年数40年あるいは築年数50年のマンションこそがお宝物件だ」ということをお話されるケースもあるようです。
つまり中古マンションのおすすめの築年数や狙い目の築年数は、それぞれ購入する人の価値観や希望によって異なるために、上記の通り様々な考え方があるのです。
築何年の中古マンションがおすすめか、という点については、20代で購入する場合、30代で購入する場合、40代で購入する場合、あるいは老後の住まいとして購入する場合、それぞれによって異なります。
例えば20代あるいは30代で中古マンションを購入する場合は、将来売ることを前提に築年数を考えなくてはいけませんし、老後に購入する場合はいつまで価値を維持できるかということを考えなくてはいけません。
全ての方にあてはまるおすすめの築年数はありませんが、多くの人に当てはまるおすすめの築年数は30年です。
築年数30年以上と聞くと「古い!」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、築30年の中古マンションをおすすめする理由が4つあります。
では一緒にその理由と選び方、購入する際の築年数の注意点を確認していきましょう。
こちらの図は、中古マンションの築年数別の価格推移、すなわち値下がりを示した表です(公益財団法人 東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年)」に基づきミタイナ編集部が作成)。
中古マンションの価格は築年数が経つにつれ、年々値下がりしていきます。
築10年程度で新築時の半額近くまで下がり、その後も徐々に価格は下がり続け築20年が経つとほとんどのマンションで価格の値下がりは落ち着き、一般的に「底値」といわれる価格になります。
それ以降は価格の下落は止まるため、価格面からみると築20~30年の中古マンションは買い時の年数と言えます。
築年数の古いマンションは売れるの?という質問を頂きますが、もし築20年以上の中古マンションを購入した後、売りに出す場合も大幅に値崩れするリスクが少ないため、コストパフォーマンスが良く「資産価値の安定」という面でも安心して購入できるというメリットがあります。
立地の面でも築年数が古いほうが、条件の良い物件が多いといえます。
駅から徒歩数分の場所や商業施設、中心街にアクセスしやすいエリアは昔も今も人気があるため、そうした場所にはすでにマンションが建っています。
築年数が古いマンションや商業施設を取り壊して新しくマンションを建て替えするとなると、マンションの建設費に加え建物の解体費も上乗せされた上で、新築マンションの価格が決定するため、売値が高額になってしまいます。
(このために中古マンションで築年数が40年あるいは50年のマンションでも、需要があり、売れるのです。)
中古マンションを探す場合、価格や立地などの点から築浅の物件と比較しても、築20年以上の物件のほうが良い物件があるケースが多いといえます。
築年数が古い中古マンションの場合、耐久性は大丈夫なのかと不安に思われる方もいらっしゃると思います。
日本は地震が多いことに加え、最近では大きな災害も起こっているため心配になってしまうのは当然のことでしょう。
中古マンションに限らず建物全般において、耐久性を判断する一つの指標として「耐震基準」があります。建設物には建築基準法などの法令により定められた基準が設けられており、耐震基準もその中の一つです。
また耐震基準は1981年6月に大幅な改正が行われ「新耐震基準」ができました。新耐震基準に準拠した建物は、地震はもちろん風圧や積雪、地震以外の震動、衝撃に対して安全な構造のものとして基準に適合していることが保証されています。
築20~30年ほどの中古マンションであれば、新耐震基準を満たしている可能性が大きいです。
現在建っている中古マンションには、「旧耐震基準」を満たしているものと「新耐震基準」を満たしているものが存在しています。
新耐震基準は1981年に改正されていますが、マンションの建設には長い年月がかかるため、マンションの完成が1981年6月以降であっても建て始めた時期がそれより前であれば旧耐震基準のマンションとなります。
また1982年や1983年以降に完成したマンションであっても、購入する際はどちらの基準を満たしているのか確認するようにしましょう。
築20~30年程の中古マンションであれば、リノベーションされている物件も多く、室内は新築物件と変わりないものもあります。
築10年程度のマンションはリノベーションされている物件が少ないため、人によっては「古い」と感じることもあるでしょう。
築20年程でリノベーションされた物件のメリットは、部屋の中がキレイでさらに価格も抑えることができ、立地の良い場所を選べることです。
内装だけではなく、外装や目に見えない配管などの設備なども修繕されていることが多いため、とてもお得に購入することができます。
築30年マンションは、後悔しない、良い点だけではありません。新築よりも価格が安いのは、当然古いからです。
築30年マンションには、2つの高齢化(建物や設備の老朽化、所有者の高齢化)という課題があると言われていますが、特に建物や設備の老朽化については、注意が必要です。この建物や設備の老朽化は、住みやすさと直結します。
このため、将来の修繕に対して管理組合がどのうなディスカッションを行い、どのような計画を組んでいるのか。そして主要な配管については、しっかりとしたメンテナンスがされているのか、を確認することが大切です。
また所有者の高齢化については、そのマンションが若い世代にも売れているのか、という点を核にすることが大切です。何故ならば、マンションの方針を決めるにあたり、高齢者と若い世代では、考え方や目的が異なるためです。
この2つの高齢化は、注意点として大切なので、しっかりと確認する様にしましょう。
お気に入りの中古マンションを安く購入することができても、すぐに建物の寿命がきてしまい住めなくなってしまっては困りますよね。
築年数の古いマンションを購入する場合、建物そのものの老朽化を懸念しまう方も多くいらっしゃるのではないのでしょうか。
ここでは中古マンションの選び方として大切な、建物の寿命や築年数の限界についてご説明します。
現在あるマンションのほとんどはRC造です。
「RC造」とは鉄筋コンクリート造の略で、柱や梁などの主要な構造部に鉄筋の入ったコンクリートを用いたものをいいます。
物理的なコンクリートの寿命は100年以上といわれていますが、税法の定めではRC造マンションの耐用年数は47年です。この47年という年数は、あくまで税法上の建物の価値算定の話であり、実際に47年経過したマンションに住めないということではありません。
ではコンクリートの寿命は100年以上といわれるのに対して、なぜ中古マンションはそれよりも短い期間で建て替えや取り壊しになるのか不思議ですよね。
それはマンションの配管やメンテナンスに問題があるからです。
高度成長期に建てられたマンションのなかには、配管交換を想定していない設計であったために、配管が故障したらマンションごと取り壊さなければいけないものもありました。
また長年メンテナンスをしていなかったために、取り壊されたマンションもあります。
現在では配管交換ができる設計が多く採用されているため、このような理由で取り壊しされることは減ってきています。
税法上の建物の価値算定が47年と言われていることから、築年数が古いマンションには長く住めないと思われる方も多くいらっしゃいますが、海外では100年以上前の建物はとても多くあります。
日本においても、100年以上前の建物は残っています。100年以上前の建物が残っている理由はやはりメンテナンスがしっかりしていたことが理由のひとつといえます。
「中古マンションだから〇年しか住めない」というのではなく、建物の寿命の長さはメンテナンスと大きく関係しているのです。
建物の寿命は設計やメンテナンスなどにより大きく異なります。そのため中古マンションを購入するときは、管理状態をしっかりと確認することが大切です。
コンクリートの寿命が100年以上あり、新耐震基準を満たしているとはいえ、丈夫なRC造マンションにも経年劣化は生じます。紫外線や雨風によって徐々にダメージを受けるため、定期的に外壁の塗り替えを行ったり、屋上防水工事を行ったりといった大規模修繕が必要です。
大規模修繕は、国土交通省によると12年に一度を目安として実施するとされています。また25年先までの大規模修繕を想定しえた「長期修繕計画」を立て、その計画に基づいて修繕を実施することが推奨されています。
しかし数多くある中古マンションのなかには、このような修繕計画や過去に修繕した履歴がないものも存在します。
特に築年数20~30年の中古マンションの場合は、新築から一度も修繕していない物件は避けた方が良いでしょう。
中古マンションは過去のメンテナンスがとても重要です。マンションの寿命に大きく影響を与えるため、いつ大規模修繕が行われ、どのようなメンテナンスがされてきたのか確認しましょう。
メンテナンスの履歴以外にも確認しておきたいことは、マンションの共有部分の管理状況や修繕積立金です。
修繕積立金は修繕する際に使われるため、マンションを購入した区分所有者の義務です。しかし実際にはさまざまな事情から滞納している人もいます。
購入を検討しているマンションがある場合は修繕積立金の金額はもちろん、どのように修繕積立金が管理されているのか確認しておきましょう。また可能であれば、事前にマンションへ足を運びエントランスや駐輪場、ゴミ置き場など普段から共有する場所の様子を確認しておくことをおすすめします。
これまでは中古マンションを選び方についてご紹介しました。
ここでは中古マンションを購入する際に知っておきたい住宅ローンについてお話をしていきます。
住宅ローンを組む場合、必ずといっていいほど審査があります。まず審査に通らなければ、住宅ローンは組めません。
住宅ローンの審査はまず借入する個人の収入なども審査の対象となりますが、それ以外にも借入期間や物件の築年数に制限があります。
一般的にはマンションの築年数基準は35~60年ですが、金融機関によって築年数によって融資を受けることができなかったり、借入期間が短くなったりすることがあります。
金融機関の住宅ローンの借入期間は最長35年というところが多いのが現状ですが、そのなかでも築年数による制限がない金融機関もあれば、中古マンションの場合「50年-築年数(最長35年)」といったように築年数と借入期間がそのままリンクされているところもあります。
この場合、築年数が古ければ古いほど借入期間が短くなってしまいますので、35年ローンを組みたい方は注意が必要です。
同じ金額を借り入れるとしても借入期間が短くなると月々の返済額増えてしまうため、物件を選びながら、事前に金融機関をチェックしおきましょう。
金融機関の選び方にも注意が必要です。
住宅ローン控除減税とは、住宅ローンを組んで戸建てやマンションなどのマイホームを購入すると、その年の年末時点のローン残高の1%が所得税から一定の期間、控除されるという制度です(2022年1月以降は0.7%になる見込み)。
しかし、全てのマンションが対象なわけではなく、控除されるにはいくつかの条件を満たしていなければいけません。
マンションの条件は以下のとおりです。
1.築25年以内の耐火建造物、あるいは耐震基準鄭豪証明書を取得していること
2.専有面積が50㎡以上
3.専有面積の1/2以上を自分で居住するために用いること
4.ローンの返済が10年以上にわたること
5.控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
中古マンションは安い買い物ではありません。そのため、住宅ローンを組む方も多いと思います。
しかし、この住宅ローン控除減税を受けることに焦点を置きすぎると、予算やエリア、間取りなどのさまざまな条件をクリアすることが難しいかもしれません。
まず条件にあった物件を探すことに焦点を置き、気に入った物件が住宅ローン控除減税の対象だったらいいなという感じで、物件を探す際には控除減税にあまり捉われすぎないようにしましょう。
中古マンションの購入を検討している方は、まず築30年のマンションを中心に検討することをおすすめします。
マンションは新築で建ったときから価格は下落していきます。どれだけ新築でキレイなマンションも時が経てばその価値は下がっていってしまうのです。
マンションは築年数30年前後で底値に達します。
マンションの選び方は、間取りや広さももちろん大切ですが、立地条件もとても大切です。
中古マンションの価格は、建物にも価値はありますが、価値の大部分を占めるのは立地条件であるため、人気エリアに建つ中古物件がおすすめです。
現在では築年数30年前後の中古マンションもリノベーションされ、内装はキレイになっており、設備も最新の物が設置されている物件も多くなってきています。
また15年後、あるいは20年後に生活環境が変化し売ることになった際にも、築年数は40年から50年くらいになるため、売ることは可能です。
特に都心では、今後は築年数が古いマンションが増えていくため、売り時の築年数も変化していきます。
ぜひ中古マンションの購入を検討している方は、資産価値が下がりにくくコストパフォーマンスの良い築30年のマンションを探してみてはいかがでしょうか?
人生のなかでも大きな買い物といえる中古マンションを購入する際は、マンションの寿命を左右するメンテナンスの状況を忘れずに確認しておきましょう。
mitainaでは立地条件が良く、リノベーションされた中古マンションをご紹介させていただいております。
お気軽にご相談ください。
最終更新日:2022年1月27日
監修者:石黒雅規
株式会社I-House 代表取締役
保有資格:宅地建物取引士/住宅ローンアドバイザー
Columbia University M.A. Statistics、American University M.A. Economics
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