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バルセロナチェアは、世界中で愛される高級デザイナーズチェアの1つです。
お部屋に置くだけでホテルライクな空間になり、洗練されたインテリアが完成すると言われるバルセロナチェア。ホテルや雑誌の紙面で見かけたことがある人もいるでしょう。
今回はそんなバルセロナチェアが愛される理由やその歴史、バルセロナチェアが映える空間づくりについて解説します。自分のお部屋にバルセロナチェアを取り入れたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
バルセロナチェアは、1929年に誕生しました。バルセロナ万博のドイツ館において、当時の国王アルフォンソ13世を迎えるために、建築家ミース・ファン・デル・ローエによってデザインされました。
ドイツ館は別名バルセロナパビリオンと呼ばれ、バルセロナチェアと共に設計を担当したミースの代表作になりました。バルセロナチェアの生みの親・ミースについて、また、後世にまで引き継がれるバルセロナチェアの魅力について解説していきます。
バルセロナチェアの生みの親・ミースは、フランク・ロイド・ライト、ル・コルビジェと並び「近代建築の三大巨匠」と呼ばれています。ミース・ファンデル・ローエは世界一有名な建築学校であるバウハウスの学長として建築家の卵の育成に力を入れていましたが、ナチスの弾圧により断念し、アメリカに亡命します。その後、イリノイ工科大学で教鞭をとりながら、数多くの名建築を残していきます。
ミース・ファンデル・ローエが残した「Less is more」(より少ないことは、より豊かなことだ)という有名なフレーズがあります。当時のヨーロピアンデザインと比較すると、ミースのシンプルで無駄が削ぎ落とされたデザインは、かなり画期的でした。現代でもミニマリストという表現をしますが、ミースの提唱した「ミニマリズム=最小限主義」は<少ない構成要素で最大限の効果を発揮するデザイン>の理想を表現しています。
バルセロナチェアもミースの理念通り、座り心地を意識したシンプルなフレームに皮張りの座面を組み合わせ、装飾を排除した凛とした美しさを感じさせます。現在の日本の住空間もシンプルですっきりとした空間が好まれているように、近代建築の優れたデザインコンセプトとして世界中の人々に影響を与えてきたことがわかります。
バルセロナチェアの販売については、アメリカ・ニューヨークのKnoll社が1947年から現在に至るまで正規販売メーカーとしての立ち位置を確立しています。Knoll社代表の妻であるフローレンス・ノルとミースはイリノイ工科大学で教鞭を取っていたときに知り合い、以降は友人として良好な関係を築いてきました。
実は、ミースが自身のデザインプロダクトをアメリカで製品化したいと考えた際、2社の家具会社が名乗りをあげたそうです。しかし、どちらの会社もミースの求めるクオリティに仕上げることができませんでした。当時制作されたバルセロナチェアの欠点として、「フレームのビス留め接合部が剥き出しになっている点」というものがありました。この欠点を解消することは、ミース・ファンデル・ローエの強い希望でしたが、両社共にこの欠点を解消することができませんでした。
フローレンスの夫であるKnoll社代表ハンス・ノルに相談したところ、ハンスは様々な方法を検証し、当時としては大変高価なステンレススチールを採用することを思いつきます。ステンレススチールを使用した結果、部材を溶接後、研磨することで、継ぎ目のない滑らかな鏡面仕上げのバルセロナチェアが誕生したのです。
これに大変満足したミースは、その後の自身の製品に関しても全てKnoll社に製造権を与えました。フローレンスはミースを友人であるとともに師としても大変尊敬していましたので、バルセロナチェアをKnoll社の象徴として大切に守り抜いていくと決め、ミースが認めたデザインと製法で現在も生産し続けています。
“God in the detail”(神は細部に宿る)というフレーズも、ミース・ファンデル・ローエの言葉として記憶されています。
バルセロナチェアはもちろん、ミース・ファンデル・ローエの建築は細部まで徹底的にこだわり、設計されています。
その言葉通り、スペイン国王夫妻のためにデザインされた「王の椅子」は、細部にこだわった、360度どこから見ても美しい繊細なデザインとなっています。
美しく輝くステンレスの脚は、古代の力の象徴でもあった「ハサミ」を表現しているとも言われています。また「人がゆったりと足を組んだ時の曲線美」を表現していると言う人もいます。
シンプルなフレームは、人が座った時に体全体を支えてくれるよう設計されており、座り心地も大変良いのがポイントです。
共通のデザインで作られたオットマン(フットスツール)もあり、並べて見るとその美しさがより一層引き立ちます。
座面はイタリア製皮革総仕上げとなっており、滑らかで肌に吸い付くような触り心地。革は年月が経てば経つほど味わいが増してくるものです。長く愛して、その変化も楽しめるような一生物のデザイナーズチェアだと言えるでしょう。
背面のデザインもふくめ、どの角度から見ても美しい椅子だと評価されています。今なお多くのメディアで掲載され、内装デザインに取り入れられ、世界中の人から愛されるのも納得の品質です。
美しいシルバーのステンレス脚と高級感のある革張り座面が魅力的なバルセロナチェア。1人掛けタイプ以外にもデイベッドやベンチタイプもあるのをご存知でしたか?
様々なシチュエーションに合わせてお使いいただけます。いずれのタイプも贅沢な座り心地と優美なデザインは変わらず、空間の主役に相応しい佇まいです。
1人掛けタイプのバルセロナチェアにオットマンを組み合わせたレイアウトはよく雑誌などでもみかけることがあるでしょう。
一般的にな1人掛けタイプのソファ幅は600〜900mm。
バルセロナチェアの場合は750mmとちょうど中間サイズですが、腕おき部分がないため座面が広く感じられるのが特徴です。
2人掛けタイプも同様で、ゆったりとした座面幅が確保できています。
オットマンと組み合わせればさらにラグジュアリーな空間ができあがります。よりくつろいだ雰囲気を演出したければ、ぜひセットで合わせるのがおすすめです。
〈1人掛けタイプ概要〉
〈オットマン概要〉
デイベッドとは「寝椅子」とも言われ、ベッドとしてもソファとしても使えるように作らています。
下記のサイズを見てもわかる通り、ベッドとしても使える大きさなので広いスペースが必要です。
寝転がりながら本を読んだり、大人数の来客時にはゆったりとしたベンチとしても活用できるでしょう。大きな家具ですが背もたれがないため、圧迫感なくお部屋を広く見せてくれるのも嬉しいポイントです。
〈デイベッド概要〉
ベンチタイプは2種類の長さが販売されています。こちらでは、デイベッドと同じく約2mの長さロングタイプをご紹介させて頂きます。
重厚感のある革張りの座面と、すっと伸びた美しい直線の脚が美しいベンチ。バルセロナチェアとデイベッドに比べるとコンパクトですが、存在感を十分感じられる魅力があります。
〈ベンチ概要〉(参照)
バルセロナチェアはブラックのカラーリングがよく見られますが、リプロダクト品も多く登場し、販売店によって様々な革色や革ランクが選べます。
お部屋のテイストに合わせて幅広いラインナップから選ぶ時間も充実したものになるでしょう。ベーシックなカラーリングを3つ紹介します。
最もオーソドックスで有名なデザインかつ、重厚感のある「黒」のカラーリング。椅子が主役になるようなインテリアがおすすめです。
写真のピンク色のような、ビビッドカラーのラグとも相性が良いのは椅子自体の存在感が負けないからでしょう。
1人掛けの椅子を2脚並べると繊細な脚が並んで横からの景色も美しいのが特徴。置いてあるだけでその場を上質な空間に格上げしてくれるのがバルセロナチェアの魅力です。同じステンレス製の脚のスタンドライトやローテーブルと合わせると、より一層洗練された空間になります。
ブラウンよりのキャメルに近いカラーリングです。木目調の家具や壁との相性が良く、温かみのあるインテリアが完成します。北欧テイストのインテリアが好きな方にはおすすめの色味です。
写真のように、1人掛けタイプの椅子をハの字に配置することで、きっちりとした雰囲気ではなく、どこかゆるやかな空気を醸し出すことができます。高級家具だからと肩肘をはらず、日常生活の一部として居心地の良さを感じられるレイアウトがおすすめです。
バルセロナチェアは脚がステンレスのため、クールでスタイリッシュな印象が強いですが、ブラウンカラーなら取り入れやすいお部屋も多いのではないでしょうか。
アイボリーのバルセロナチェアはニュアンスカラーと組み合わせると、一気にマイルドな印象に仕上がります。ブラックと同様にモノトーンでスタイリッシュなお部屋にもできますが、ベージュのカーテンや柔らかな印象のラグマットとも相性が良いのがわかります。
写真では、ローテーブルを囲んで1人掛けのバルセロナチェアが2脚、バルセロナデイベッドが1脚、スエード生地のソファが配置されています。壁や床色と同系色なので圧迫感も全く感じられません。
バルセロナチェアの背面は飾り棚になっているため、壁から離れて置いていますが、椅子の美しい背面も鑑賞できるのでぜひ真似したいレイアウトです。
「バルセロナチェアはモノトーンのお部屋じゃないと合わないのでは?」「デザイナーズチェアが合うインテリアがわからない」と思っていた方もいるのではないでしょうか。
様々なカラーリングやタイプがあることがわかったので、ここからはバルセロナチェアに合わせやすいお部屋をご紹介します。
デイベッドタイプのバルセロナチェアなら、こちらの23畳あるお部屋のような広々としたリビングで、窓際に置くのがおすすめです。。
眺望を活かせるように低いベンチタイプの椅子を置くのがポイント。また、バルセロナチェア1脚を置いても、背面の美しさを鑑賞できるのが広いリビングの嬉しい特徴です。
お部屋の一部に鏡があしらわれていると、より一層お部屋が広く見えます。また、お気に入りの家具が鏡に映るので360°眺めて楽しめまますね。ベンチタイプの椅子はクッションをたくさん置くことで、雰囲気を変えられるのも魅力でしょう。
ダークブラウンの床や建具と、真っ白な壁でまとまった上品なお部屋にはブラックのバルセロナチェアがよく似合います。
ポイントは椅子の目の前にあるローテーブルもシルバーの脚にしているところでしょう。バルセロナチェアの洗練されたステンレスの脚と統一感が生まれています。
少し斜めに置くことで、かしこまらず、ゆったりとくつろげる空間になっています。さらにオットマンを合わせることで、バルセロナチェアの曲線美がより強調されています。
L字型のソファと1人掛けのアームチェアを対角線上に配置したお部屋です。このアームチェアをブラウンのバルセロナチェアに変更するのはいかがでしょう。木目調のお部屋の雰囲気との相性も良く、家族みんなに人気の席になりそうです。
背面がよく見える配置なので、どこから見ても美しいバルセロナチェアならおすすめのレイアウトだといえるでしょう。
憧れのバルセロナチェアですが、どこで購入すれば良いのでしょうか。
最近はネットで調べれば様々なサイトが検索できますが、きちんと信用できるルートで購入したほうが良いでしょう。
古い歴史のあるバルセロナチェアを始め、各種デザイナーズチェアは主に3パターンの購入ルートがあります。信頼できるショップを見つけて、ぜひご自宅にバルセロナチェアを迎え入れましょう。
正規の販売権を持ったメーカーが製作した椅子になります。バルセロナチェアであればKnoll社です。正規品としての安心感はもちろんのこと、アフターサービスや保証もしっかりしています。バルセロナチェアは1人掛けタイプが997,700円〜とデザイナーズチェアの中でもかなり高額なため、購入後も信頼できる相談先があるのは安心です。
ただし、海外からの空輸になるので、別途送料がかかってきます。また、革色も選べる受注生産のためり、届くまでに最低でも1〜1.5ヶ月、長いと4ヶ月ほどかかる場合もあります。
・Knoll Japan(Knoll社の日本支店)
・THE CONRAN SHOP(バルセロナチェア ブラックとダークブラウンの取扱いあり)
版権が切れた製品を正規販売店以外のメーカーが製作している椅子。リプロダクト品があることで、より多くの人が当時の優れたデザインを生活に取り入れることができるようになりました。値段や品質はメーカーによって様々なので、実際に問い合わせたり、クチコミを確認するなどして信頼できる店舗なのか見極める必要があるでしょう。
正規品と比べて価格は数万円〜数十万円とかなり佐賀あります。製造方法に関しても異なる場合があるので、確認しましょう。保証やアフターサービスをしてくれるショップもあります。
ヴィンテージ好きな方のなかには、あえて現モデル以前の椅子を好む方もいます。
年月が経っているのでバルセロナチェアの場合は革部分のへたりや、ステンレスの傷つきもあるでしょうが、物によっては正規品より高い値がつくこともあります。椅子によっては当時の作り方で作っていたり、シリアルナンバーが入っていたりすることもあり、玄人には人気です。
常に状態の良いものが売りに出されているわけではないので、お目当てのデザイナーズチェアがある場合は逐一情報をチェックするか、可能であれば直接バイヤーに希望の製品を伝えて入荷したら連絡をもらうようにしておくのがおすすめです。
バルセロナチェアは今もなお世界中で愛されるデザイナーズチェアです。様々なタイプや革色があり、きっと気に入る1脚が見つかることでしょう。
バルセロナチェアを置くのにぴったりなお部屋を探している方は、おしゃれなリノベーションマンションもおすすめです。
mitainaの物件は、長く快適に暮らしていただける洗練されたお部屋を多数取り揃えています。バルセロナチェアをゆったりと置けるリビングがある物件も多くご紹介しているのでぜひお気軽にご相談ください。
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