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アンティーク感がある優美なデザインのシノワズリ。興味があるけど、「中国っぽくもあり、西洋っぽくもあり、どんなインテリアなのだろう……」という方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、シノワズリの歴史やデザインの特徴を解説します。また、シノワズリを取り入れたインテリア事例や家具についてもあわせてご紹介します。
優美なシノワズリを取り入れた暮らしを楽しみましょう!
シノワズリとは、フランス語で「中国趣味」と訳されます。中国趣味といっても、中国文化をそのままヨーロッパの美術様式に取り入れたものではありません。
ヨーロッパの人々が、アジア全般に持つイメージで作った「オリエントの様式」と「ヨーロッパの様式」を混合してヨーロッパ的に表現したものです。
シノワズリの優美な世界は、17世紀~18世紀ごろヨーロッパの貴族や富裕層の間で富の象徴として大流行しました。
シノワズリの流行は、13~14世紀ごろアジアからシルクロードを通って運ばれた絹織物から始まりました。
その後、17世紀中ごろから19世紀にかけて陶磁器が輸入され、シノワズリは大流行していったのです。
17世紀に入り東インド会社ができたことで、中国から陶磁器や漆などの工芸品がヨーロッパに伝わっていきました。
アジア独特の魅力がある工芸品は、大きなインパクトをヨーロッパの職人達に与えました。職人らは、アジアの装飾や模様を取り入れた陶芸品などを作ったのです。
18世紀になると、フランスの「ロココ文化」とシノワズリが融合して、シノワズリの流行はピークを迎えたといわれています。シノワズリは、建造物や家具、壁紙、美術品に至るまで大きな影響を及ぼしました。
ロココ美術を代表する画家「フランソワ・ブーシェ」も影響を受けた1人です。中国風の衣装を着た人物などシノワズリに影響された絵画がたくさん残されています。
宮殿では、シノワズリの家具装飾専門の職人も誕生しました。特にシノワズリとロココ様式を合わせたデザインを得意とした「トーマス・チッペンデール」。
彼の代表作「チャイニーズ・チッペンデールチェア」は、中国風な幾何学模様の格子がはめ込まれたエキゾチックな椅子で、現在でも人気のデザインです。
シノワズリは中国趣味と訳されますが、中国文化本来のデザインではありません。東洋的かつ神秘的な未知の国を、ヨーロッパの人々がイメージして作り出したデザインがシノワズリです。
シノワズリの陶器や壁紙などには、花や鳥、蔦、山水風景が多く描かれています。家具や建造物などの装飾に用いられる「雷文(らいもん)」は、雷がモチーフです。
他にも、直線的な格子模様や「卍型(まんじがた)」を組み合わせた格子模様など、洗練されたシンプルな幾何学模様がよく使われました。
シノワズリとジャポニズムは、同じものとして混同されがちですが、実はまったく異なる文化です。ジャポニズムは、フランス語で「日本主義」を意味する言葉で、19世紀ごろから使われるようになりました。
ヨーロッパでシノワズリが流行していたころ、日本は黒船の来航により開国しました。そして、多くの日本の美術品がヨーロッパへと伝わったのです。最初は、シノワズリのように、日本的趣向として取り入れられ「ジャポネズリー」と呼ばれていました。
その後、極東趣味の店が浮世絵の版画を広めます。1867年のパリ万博では数多くの日本の美術品が出品され、日本美術の魅力がさらに伝わっていきました。
19世紀には、フランスの「マネ」や「ドガ」などの画家たちに、日本美術が大きな影響を与えます。日本文化は、西洋美術の伝統的な様式を近代美術への革新に影響を与え「ジャポニズム」と呼ばれました。
シノワズリをインテリアに取り入れることで、ヨーロッパの華やかな雰囲気とアジアのエキゾチックで幻想的な魅力が合わさった優雅な空間になります。ゆったりとした時間が流れているような、贅沢な気分を楽しめるでしょう。
ここでは、シノワズリを取り入れたおしゃれなインテリアの事例をご紹介します。
優しいピンクを基調とした壁紙の図案は、牡丹や蔦、鳥が描かれており、シノワズリの代表的なデザインの1つです。壁の一面だけでもシノワズリを取り入れると、ロマンチックで優雅な空間を演出できます。
透け感のあるレースカーテンは、シノワズリらしい花と蔦の品格のあるデザインで、存在感があります。カーテンなら気軽にシノワズリを取り入れられるのでおすすめです。
シノワズリの椅子は、アンティーク家具として現在でも人気があります。アンティークならではの飴色になった木の質感が、シノワズリの壁紙によく映えます。ヨーロッパ調のデザインの椅子の座面や背面に、シノワズリ柄の生地が張られたものもあります。
19世紀にフランスで作られたアンティークのラタン椅子です。椅子の尖頭と背面の透かし彫りがゴシックスタイルで、座面のラタンが合わさった西洋と東洋がミックスされているのが特徴です。
アンティークの椅子をシノワズリのインテリアに取り入れると、雰囲気が一気に高まるのでおすすめです。
19世紀後半、フランスで作られたアンティークの椅子です。デザインは、ロココ調の後に新古典主義に回帰した、ルイ16世スタイル。
背面には小鳥柄のヴィンテージのシノワズリの生地が、座面には中華風の織模様のシノワズリの生地が張られています。優美なシノワズリのインテリアを演出したい方におすすめのアンティークチェアです。
落ち着いた色味のゴールドに、花や鳥の図柄が描かれたシノワズリのクッション。シンプルですが存在感があります。和モダンな家具との相性もよく、またシノワズリらしい高級感のあるオリエンタルな世界観を演出してくれます。
シノワズリが流行しアジアとの貿易も盛んになり、もっともヨーロッパの人々に人気を得たものは「陶磁器」です。当時のヨーロッパでは磁器が作れませんでした。そのため、宝石と同等の価値が付けられ貴族や富裕層の間でも憧れの品だったのです。
シノワズリの食器は、ヨーロッパとオリエンタルがミックスされたデザイン。飾っているだけでも高級感が漂い、シノワズリのインテリアを演出するアイテムといえるでしょう。
17世紀後半からヨーロッパでは、シノワズリのティーセットや皿などが多く作られました。食器の絵柄は、中国の青花磁器の皿や花瓶、壺などに描かれている柄をオマージュしてデザインされました。
17世紀のフランスでは「デクパージュ」という技法が生まれました。紙の切り抜きなどを板や皿に張り付け、「漆」の代わりに天然樹脂「ワニス」を塗って仕上げる技法です。
シノワズリの柄が貼りつけられたデクパージュは、美しく味わいがあります。シノワズリのある暮らしを楽しむためにぜひ取り入れたいアイテムです。
ここまでご紹介したシノワズリのインテリアは、アンティーク&モダンなテイストで人気のインテリアショップRisabraireさんのプロダクトです。
こちらは、奥の和室をモダンなシノワズリテイストに仕上げた事例です。
壁紙は紫がかったピンクをセレクトしたことで、奥行きを感じられる効果があります。
手前の洋室リビングとの間を仕切るガラス扉は、シノワズリを意識した直線的な格子模様の引き戸です。ダークブラウンと相性の良いやさしいカラーが、シノワズリの雰囲気を民芸調に転じてしまうのを防ぎ、品よくモダンな印象を感じさせてくれます。
リビング側にもオブジェを飾り、和室と洋室のバランスを整えています。
西洋と東洋の要素がミックスしたシノワズリならではの優美さと、モダンテイストを上手く取り入れたリノベーション事例です。
~こだわりの和室をプラス。リフォームでかなえた豊かな暮らし~
今回は、シノワズリの歴史やデザインの特徴、シノワズリを取り入れたインテリア事例をご紹介しました。
ヨーロッパの貴族や富裕層が愛した「シノワズリ」は、品格があり日常から抜け出したような贅沢な空間を楽しめるのが魅力です。
mitainaではシノワズリ調をはじめとして、お客様のご希望に合わせたテイストで、プロが家具コーディネートをご提案することも可能です。
ぜひ、お好みのインテリアでコーディネートしたマイホームで、すてきな新生活を始めてみてください。
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