東京都心のマンション価格は今後どうなる?ウクライナ戦争や世界的なインフレのマンション価格への影響は?

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2022.06.08

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”首都圏新築マンション、価格がバブル期を超える”

2022年1月25日の日本経済新聞によると、2021年の首都圏新築マンションの平均価格は対前年比2.9%上昇し、6260万円と過去最高を記録しました。

また東京23区は7.5%も価格が上昇し、8293万円と約30年ぶりに8000万円を超えました。

”首都圏の中古マンション 2022年4月 12か月連続上昇”(2022年5月24日 日経新聞)と、中古マンションも価格が上がり続けています。

この情報だけ見ると、マンションの価格は高いと感じます。

そしてこの首都圏新築マンションの6260万円という価格や、東京23区の8293万円という価格を見ると、「高すぎて買えない」という気持ちになります。

一方でロシアによるウクライナ侵攻や、世界的なインフレなど、今後のマンション価格に影響を与えると思われる流れも起きています。

東京のマンション価格は、本当に”高すぎて買えない”のでしょうか?

また、2022年以降のマンション価格は、今後どうなっていくのでしょうか?

この記事では、東京都心に対象を絞りマンションの価格が下がらない理由を検証します。

「東京のマンション価格は高すぎて買えない」は本当?

前述の通り、マンション価格だけを見るとバブルを超え、『マンション価格は高すぎて買えない』と思うかもしれません。実際に日本人の給与は過去30年において、ほとんど上がっていません。

国税庁のHPによると1990年(平成2年)の平均給与は425万円でしたが、2021年(令和3年)の平均給与は433万円となっています。

(出典:国税庁企画課「令和2年分民間給与実態統計調査結果について」)

また2022年6月15日付、東京新聞の「上がらない賃金「日本だけが異常」 求められる政策の検証<参院選・くらしの現在地①>」によると、1995年から2020年まで、日本の物価は1.04倍に上昇しているのに対して名目賃金は0.96倍になっています。

こういった観点からも、バブル期を超えるマンション価格は高すぎる価格で、「マンション価格は高すぎて買えない」と思う方も多いかもしれません。

しかし「住宅ローン金利」という観点からは、実際にはそうではないと考えます。

マンション価格は高すぎない|”住宅ローン金利”という観点

しかし、”住宅ローン金利”という観点から考えると、この「マンション価格は高すぎて買えない」ということが、必ずしもそうではないことがわかります。

1991年の固定金利は5.5%*ですが、2016年には1.1%とすると、同じ年収でも借入可能金額や返済金額は大きく異なります。

(*出所:三菱地所レジデンス「いま住宅ローンを借りるなら「変動型?固定型?」住宅ライターが金利の見方を多角的に紹介(2017年12月21日)」)

年収による借入可能金額の違い

まず年収による借入可能金額の違いを見ていきましょう。

金利が5.5%から1.1%に下がる場合、借入可能金額や総返済金額は1.87倍になることがわかります。

年収による借入可能金額の違い① 年収500万円の人

年収500万円の人は、金利が5.5%の時と、1.1%の時では、どれくらい借入可能金額が異なるのでしょうか?

  • 年収500万円 金利5.5% 返済期間35年 返済負担率35%→2715万6222円
  • 年収500万円 金利1.1% 返済期間35年 返済負担率35%→5081万8306円

年収による借入可能金額の違い② 年収800万円の人

年収800万円の人は、金利が5.5%の時と、1.1%の時では、どれくらい借入可能金額が異なるのでしょうか?

  • 年収500万円 金利5.5% 返済期間35年 返済負担率35%→4344万9955円
  • 年収800万円 金利1.1% 返済期間35年 返済負担率35%→8130万9290円

住宅ローン金利による返済金額の違い① 5000万円のマンションを購入

まず5000万円のマンションを購入する場合、金利によって総返済額(35年間の総返済金額)がどれだけ変わるか見てみましょう。

  • 5000万円 金利5.5% 元利均等返済 35年→1億1277万3360円
  • 5000万円 金利1.1% 元利均等返済 35年→6026万3700円

住宅ローン金利による返済金額の違い② 8000万円のマンションを購入

まず5000万円のマンションを購入する場合、金利によって総返済額(35年間の総返済金額)がどれだけ変わるか見てみましょう。

  • 8000万円 金利5.5% 元利均等返済 35年→1億8043万7460円
  • 8000万円 金利1.1% 元利均等返済 35年→9642万1920円

このように金利の違いで、返済金額が約1.87倍も変わることがわかります。

住宅ローンを借りマンションを購入する人にとって、同じ年収でも低金利により大幅に借入可能金額が増えているため、マンション価格のみで「マンション価格はバブル期を超えるため、高すぎて買えない」ということは必ずしも言えないと考えます。

上記により「東京のマンション価格は高すぎて買えない」ということではないことがわかりますが、以下では、国際情勢、特にウクライナ侵攻や世界的なインフレが東京のマンション価格に与える影響や、今後都心のマンション価格が下がるかについて検証します。

ウクライナ侵攻が東京都心のマンション価格に今後与える影響とは?

2022年の景気に大きな影響を与えている大きな要因の一つが、ロシアによるウクライナへの侵攻でしょう。

このウクライナ侵攻の一番問題点は、世界的なインフレに拍車をかけているという点です。

何故ウクライナ侵攻によるインフレが都心のマンション価格へ今後も影響するのか?

ウクライナ侵攻により、天然ガス等のロシアの生産シェアの大きな品目が急騰しています。

世界各国ではコロナ危機による経済の停滞状態から抜け出しつつあり、需要が急激に回復してきています。一方で、供給が需要に追い付かないため、物価が上がるという需給ギャップによるインフレが起きているのが現状です。

加えて欧米がロシアへの経済制裁を強化したことで、天然ガスや原油のエネルギー価格が上がり、各種生産物の原価があがり、インフレを加速させています。そして小麦などのロシアに依存する資源・農産物の価格が上昇することでも、インフレを加速させています。

このような状況の中、インフレをおさえるための施策として、FRBアメリカ連邦準備理事会は利上げを行う見通しとなっています。

FRBによる利上げが何故、東京都心のマンション価格に影響を与えるのか?

FRBが利上げを行う場合、日米の金利差が大きくなります。これによりドル高(=円安)へと為替が動きます。

では円安になると、何故東京都心のマンション価格に影響を与えるのか?という点ですが、まず第一に米ドルで収入を得ている人や米ドルで資産を保有する人が、より割安に東京都心のマンションを購入することができます。

為替が1ドル130円の時と1ドル110円の時では、例えば1億円のマンションを購入する際にも必要な米ドルの額が異なります。

1ドル110円の時に1億円のマンションを購入するには、約90万9091ドルが必要です。しかし1ドル130円の時に1億円のマンションを購入するには、76万9231ドルしか必要になりません(物件購入等に伴う諸経費は含んでいません)。1ドル130円の時では、1ドル110円の時に比べて、ドル換算で84.6%の金額で購入することができることになります。

2022年6月8日には、20年4か月ぶりに円が一時134円台をつけましたが、今後円安ドル高が進むと、ドルベースの人にとってはより大きなメリットがでることになります。

結果として、米ドルで収入を得ている人(日本人も外国人も)にとって、海外と比較して割安な東京都心のマンション購入が増える可能性が高くなります。

上記をまとめると、『ウクライナ侵攻→ロシアへの経済制裁→インフレの加速→FRBによる金利引き上げ→日米金利差拡大→円安→米ドルベースの購入者増加→都心のマンション価格高騰』という流れになり、ウクライナ侵攻が東京都心のマンション価格へ影響を与えていることがわかります。

低金利が続く円は格好の売り対象に

米国に加え、欧州各国も利上げに動いています。日本の金融政策を決定する日銀については、金融緩和を維持し、低金利政策を維持する考えを示しています。これにより円は格好の売り対象になっており、各国の主要通貨からみた日本市場は割安な状況になっています。

不動産市場に目を向けると、当然この円安により割安に東京都心のマンションを購入することができる、ということになります。

2022年|東京都心のマンション価格が今後下がらない理由

東京都心のマンションについては上記の通り、ウクライナ侵攻やそれに伴うインフレの加速により、価格が今後下がる可能性が低いことがわかります。

「上がった価格は下がるはず」と考えている人も多いかもしれません。

しかし2022年については、東京都心のマンション価格は下がらないと考えます。

過去10年間においてマンション価格は上がり続けましたが、これは決して経済が好調だったから上がったわけではありません。日本人の年収が伸びない中、日銀の金融政策により低金利が続いたため、住宅ローンの借入可能金額が大きくなり、マンションを購入ができたという点が、大きな要因として考えられます。

このまま低金利が継続すれば、特に東京都心のマンション価格が下がっていくという事は考えづらいと言えます。

逆に言えば、金融政策が転換し、日銀が利上げをする時こそ、マンション価格上昇が下がっていく転換点となる可能性が高いと考えます。

それではいつ日銀が利上げし、東京都心のマンション価格が下げ基調へと変化するのか、いくつかのシナリオを見ていきましょう。

東京都心のマンション価格 今後のシナリオを検証

ではマンション価格の今後のシナリオをいくつか検証してみましょう。

マンション価格が今後も下がらないケース

まず、東京都心のマンション価格が今後も下がらないシナリオを見ていきましょう。基本的には特に東京都心のマンション価格については、今後も下がらない可能性が高いと考えています。

マンション価格今後のシナリオ①|ウクライナ侵攻が長引き日本の景気が回復しないケース

一つ目のシナリオは、ウクライナ侵攻が長引き、日本の景気が回復しないシナリオです。

ウクライナ侵攻によりインフレが加速していることは前述の通りですが、日本の物価も上昇基調にあります。日本の家計が値上げを受け入れたものの、企業の値上げ幅をインフレが上回り、企業業績が回復せず、賃金が上がらない場合は、日銀は利上げをできないと考えます。

利上げができない場合、円安基調は続きますし、また低金利により借入可能金額は依然として高い水準となります。こうなった場合は、東京都心のマンション価格が今後下がるという理由がないため、マンション価格は今後も下がらず、現状のトレンドを維持するものと考えられます。

マンション価格今後のシナリオ②|ウクライナ侵攻が早期に解決するものの、日本の景気が回復しないケース

二つ目のシナリオは、ウクライナ侵攻が早期に解決した場合です。戦争終結によりエネルギーコスト上昇等のインフレ圧力が緩和され、世界的なインフレが落ち着く事が考えられます。

インフレが落ち着いた結果、日本国内では値上げのタイミングを逸し、その結果として経済回復から賃上げへのストーリーがなくなってしまう可能性があります。

もし戦争が早期に解決したとしても、経済回復から値上げへの流れにならない場合、日銀が金利を引き上げることは難しいと考えます。このようなケースにおいては、金融政策が維持されるため、従来通り東京都心のマンション価格が今後下がるということにはなりづらいと考えます。

マンション価格が今後下がるケース

ではマンション価格が今後下がるケースはどのようなものがあるでしょうか?

マンション価格今後のシナリオ③|賃金が上がらないまま、日銀が金利を上げるケース

現状、特に東京都心のマンション価格が下がるケースは非常に考えづらいですが、あり得るとしたら例えば以下のケースではないでしょうか。

インフレが続く中、日本経済は回復せず賃金は上がらないものの、為替がさらなる円安をつけてしまい、日銀が金融政策を転換するというケースです。

この場合、賃金が上がっていない中、金利を上げるため、借入可能金額は減少します。また為替についても、金利差が減るため、円安から円高へと変化していきます。

そして日経平均株価についても、下がっていくことが予想されます。

こういった場合、景気の減速や株価の下落と歩調を合わせ、東京都心のマンションにおいても、価格が下がっていくシナリオが考えられます。

マンション価格が今後上がるケース

最後に、良い意味でマンション価格が上がるケースを見ていきましょう。

マンション価格今後のシナリオ④|日本経済が大きく好転し賃金上昇が起こるケース

良いストーリーとしては、値上げにより物価が上昇し、企業業績が回復→賃金上昇というシナリオです。

日銀が金利を上げたとしても、その効果を上回る賃金上昇が起きれば、マンション価格は上がると思われます。このためには企業業績が好転することが必須条件ですが、日本企業が成長することにより、その中心地である東京の価値は上昇し、結果として都心のマンション価格も上昇していくことになります。

まとめ

ウクライナ侵攻や世界的なインフレと、コロナ以外にも様々な試練が経済を襲っています。

しかし東京都心のマンション価格については、今後下がっていくということは考えづらいのではないでしょうか。

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もし東京都心のマンション購入を検討されていたら、是非ご相談ください。

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