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住宅ローン・金融
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住宅ローンの利用を検討していて「住宅ローンの金利推移はどうなっているのか知りたい」「金利が変動する理由や金利タイプの違いを教えてほしい」など、疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
これまでの金利推移を知ることは、今後の金利動向を予測するうえで大切なことです。現在の住宅ローン金利が高いか安いかの判断もしやすくなります。
ここでは、21世紀以降の住宅ローン金利推移や金利が変動する理由、金利タイプの違いなどについて解説します。
「直近10年の住宅ローン金利推移」「ここ20年の住宅ローン金利推移」を金利タイプ別に紹介します。どの金利タイプも金利水準は低いです。過去の金利推移は、現在の金利水準や今後の金利動向を予測・判断する際に役立ちます。
ここでは、直近10年とここ20年の住宅ローン金利推移について見ていきましょう。
まずは、直近10年の住宅ローン金利推移について紹介します。
※住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」より
上記は、住宅金融支援機構が公表している「固定金利期間選択型(10年)」「固定金利期間選択型(3年)」「変動金利型」の金利推移です。主要都市銀行の金利(中央値)を集計・掲載したものです。
2010年以降の固定金利期間選択型(10年)・固定金利期間選択型(3年)・変動金利型の金利は、横ばいまたは微減となっています。それぞれの2010年以降の金利動向は、以下のとおりです。
*以下データは「三井住友銀行 住宅ローン 金利水準推移(新規)」より抜粋
固定金利期間選択型(10年)は、当初の10年間金利を固定するものです。2000年以降は年3.00〜4.00%で推移しています。2010〜2011年にかけて4.00%を上回りますが、その後は金利が下がり続け、2016年頃には一時3.00%を下回ります。2017年以降はほぼ横ばい状態で、2022年1月時点の金利は年3.30%です。
以下は、参考までに2010〜2022年の三井住友銀行の固定金利期間選択型(10年)の推移です。
固定金利期間選択型(3年)は、当初の3年間金利を固定するものです。2010年以降の固定金利期間選択型(3年)は年2.70〜3.30%前後で推移しています。2022年1月時点の金利は年3.00%です。以下は、2010〜2022年の三井住友銀行の固定金利期間選択型(3年)の推移です。
変動金利型は、2010年以降横ばいで、2022年1月時点の金利は年2.475%です。金融政策や景気の影響もあって最低水準の金利が続いています。以下は、2010〜2022年の三井住友銀行の変動金利型の推移です。
このように、直近10年の住宅ローン金利は、固定金利期間選択型(10年)は0.8%程度、固定金利期間選択型(3年)は0.2%程度下がっていますが、変動金利は同水準です。いずれも低金利で推移しています。
2000年以降の固定金利期間選択型(10年)・固定金利期間選択型(3年)・変動金利型の金利推移は、以下のとおりです。
固定金利期間選択型(10年)は、2000年以降、年3.00〜4.00%前後で推移しています。3.00%より低下、4.00%より上昇することはあっても一時的なものです。以下は、2001〜2022年の三井住友銀行の固定金利期間選択型(10年)の推移です。
2015年以降は、3.50%より低い水準で推移しています。
固定金利期間選択型(3年)は、2000〜2006年頃までは年2%に近い水準で推移していましたが、2007年頃から金利が上昇し、2008年頃には3%後半まで上がります。そこから徐々に下がり続け、2022年1月時点では年3.00%となります。以下は、2001〜2022年の三井住友銀行の固定金利期間選択型(3年)の推移です。
ここ20年で金利が1%程度上昇しているのがわかります。
変動金利型は、金融政策の影響もあり2000年以降の金利はほぼ横ばいです。2007〜2008年頃に2.90%前後まで上昇しますが、他の期間は2.30〜2.50%前後で推移しています。以下は、2001〜2022年の三井住友銀行の変動金利型の推移です。
このように、ここ20年の住宅ローン金利は、低金利でありながら大きな変動はありません。固定金利期間選択型(3年)は金利1%近く上昇していますが、固定金利期間選択型(10年)は20年前とそれほど変わらず、変動金利はほとんど同じ金利水準です。
住宅ローン金利が変動する理由を知っておけば、今後の金利動向を予測しやすくなります。ここでは、住宅ローン金利が変動する理由などについて見ていきましょう。
住宅ローン金利は、景気や物価、為替などの影響で変動します。金利タイプ別の金利決定の主な要素は、次のとおりです。
10年国債利回りとは、国が発行する債券の金利・利回りです。経済の基礎体温とも言われる長期金利の指標でもあります。円金利スワップレートは円金利同士(変動金利と固定金利)を交換するもので、金利スワップの一種です。短期プライムレートは、銀行が優良企業に融資をする際の優遇金利のことです。
これらの要素は、景気や物価、為替などの影響を受けます。金利が上昇する可能性があるのは、次のようなときです。
逆に、次のような場合は金利が下がる可能性があります。
このように、住宅ローン金利は市況などを見ながら変動します。
かつて、住宅ローン金利の変動金利はバブル崩壊により大幅に低下しました。不動産総量規制や公定歩合の引き下げなどによってバブルが崩壊し、1991年には8%以上あった金利が、1996年には2%近い水準になっています。そして、現在までほぼ変わらない低金利状態が続いています。
日銀によるマイナス金利政策の影響もあり、住宅ローン金利は低い水準で推移しています。マイナス金利政策とは、2016年に導入された「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のことです。
金融機関の日銀の当座預金にマイナス金利を適用することで、金融機関による融資や投資を促す政策です。マイナス金利政策で国債の金利が下がり、住宅ローン金利も低金利となっています。
「固定金利と変動金利、どちらを選ぶと良いのかわからない」という方も多いことでしょう。どちらの金利タイプも一長一短があるため「必ず◯◯金利がお得」といった答えはありません。自分に合った金利タイプを選択することが大切です。
ここでは、固定金利と変動金利それぞれの特徴とメリット・デメリットについて見ていきましょう。
住宅ローンの固定金利とは、一定期間金利が固定される金利タイプのことです。固定金利は、全期間型と固定期間選択型の大きく2つに分かれます。
全期間型は、住宅ローン借り入れ当初から返済期間終了まで金利が一定なのが特徴です。代表的なものがフラット35です。適用された金利は市場金利に関わらず、返済が終了するまで変わることはありません。
固定期間選択型は、2年、3年、5年、10年など固定期間を選択できます。固定期間選択型の10年を選択した場合は10年間は金利が一定です。一定期間終了後は、再び期間を選択します。全期間型・固定期間選択型と、固定金利を選択する主なメリットは次のとおりです。
固定金利は返済中の金利が一定です。全期間もしくは一定期間の返済額が毎月同じなので、返済計画が立てやすく安心感があります。一方で、固定金利には次のようなデメリットもあります。
固定金利は、変動金利より高く設定されています。金利は一定ですが、返済中に市場金利が上昇しなければ、変動金利と比べると総返済金額は多くなります。参考までに、以下は三井住友銀行の固定金利と変動金利です。
※2022年1月時点
※融資利率の場合
市場金利が上昇する前に固定金利を選択しておけば、変動金利よりも総返済額を少なく抑えられます。金利変動の影響を受けたくない方や返済計画の見通しを立てたい方におすすめです。
変動金利は、一定期間ごとに金利や返済額が変わる金利タイプです。住宅ローン借入期間中は半年ごとに金利が、5年ごとに返済額が見直されます(元利均等返済の場合)。年2回の金利見直しによって変わるのは、返済額の元金と利息の割合です。
変動金利のメリットは、次のとおりです。
変動金利は、固定金利よりも金利が低めに設定されているのが一般的です。金利上昇がなければ、返済額に占める元金が大きいため借入残高の減少スピードが速いです。固定金利よりも目先の返済額を安く抑えられます。
一方、変動金利には次のようなデメリットもあります。
変動金利は、半年ごとに金利、5年ごとに返済額が見直されます。金利が上昇すると返済額が高くなってしまいます。当初は固定金利より変動金利のほうが金利は低いです。しかし、5年〜10年で金利が逆転している可能性もあります。変動金利は金利によって返済額が変わるため、中長期の返済計画を立てづらいのもデメリットです。
今後も低金利が続きそうな場合や積極的に繰上返済を予定している方におすすめの金利タイプです。
これから住宅ローンを組もうという方にとっては、2022年以降の住宅ローンはどのように変動していくかというところは大変気になるポイントでしょう。
変動金利と固定金利それぞれにメリットがありますが、今後金利が下がっていくのであれば固定金利を組むと、変動金利より高い金利を支払うことになってしまう可能性があります。
一方変動金利の場合、今後の金利が下がるのであれば金利の支払いが有利になる可能性がありますが、金利の数字が上がってしまえば、現在の想定よりもより大きな金利を支払わなければいけなくなる可能性があります。
2022年時点の日本経済の動向を踏まえて、気になる今後の住宅ローン金利の動向を探ってみました。
日本は2022年現在もマイナス金利政策を継続しています。このマイナス金利政策が継続している限りは、金利が大きく上昇することは非常に考えにくいと言えます。
特に2022年時点では新型コロナウイルスの流行により観光業や飲食業を中心とした日本国内の経済は低迷が続いています。インバウンド消費は2019年以前よりも大きく低迷しています。そのような状態で日本銀行が制作金利を上げてしまうと、各銀行の金利も上昇し、多くの事業者にとっての支払金利の負担が増します。その結果大きく事業者が倒産し、より大きな経済低迷を招く可能性が出てきます。
また新型コロナウイルスの流行は日本国内だけではなく、海外においてもその影響は顕著です。海外でも経済が停滞しているため、政策金利を非常に低い水準に抑える事例が目立っています。アメリカの政策金利は2022年3月には上昇しましたがその数字の水準はアメリカのこれまでの政策金利の水準から見れば非常に低い数値となっています。
日本銀行では物価の上昇率年2%という目標を立てていますが、その目標が達成された事はありません。 物価を上げて、国民の所得を増やし、金利も上げることで経済を活性化する。残念ながらそのような状況に好転はまだ見えてきません。
マイナス金利政策は今後もまだ継続していく可能性が高いと言えるでしょう。
一方で、これ以上住宅ローンの金利が下がることも考えにくいです。2022年時点では各種金融機関の変動金利は0.5%を下回るという、歴史的にみても非常に低い水準となっています。金融機関にとって金利収入は大きな収入源の一つですが、これ以上の金利を下げる余地があまり残っていません。
そのため日本の住宅ローン金利に関しては上がる可能性は少ないが、数字が下がる余地も小さい、住宅ローン金利は短期間で劇的には変化しないと考えられます。
住宅金利ローンが上に上がりにくい状態であり、かつ下がる余地も小さいとなれば、その結果は住宅ローンは「家を買いたい時が住宅ローンを組むとき」だと言えるでしょう。
賃貸と住宅ローンの比較はよく行われますが、毎月の居住費を10万円とした場合、どのような家に住めるのかを比較してみましょう。
新宿へ20分でアクセスできる小田急線登戸駅は、快速急行も停車する通勤に便利な環境です。その登戸駅で家賃10万円で借りることができるファミリー物件をピックアップしてみました。
条件は駅から徒歩15分以内、築年数25年です。
https://suumo.jp/chintai/jnc_000071313024/?bc=100091113648
広さは45平米程度であり、二人で住むには問題ない広さですが子どもが生まれると手狭な家だと考えられます。
一方で頭金500万円、毎月の住宅ローン返済10万円(期間35年、固定金利1.2%)では、約4,500万円の家を購入できます。
https://suumo.jp/ms/chuko/kanagawa/sc_kawasakishitama/nc_97127411/
マンションであれば70から80平方メートルと、3人家族には十分な広さの家が買えます。中古戸建てであれば、面積100m平方メートルを超えるような広さの物件を購入することも可能です。
これから先大きく金利が下がる可能性があるから、もう少し住宅ローンを待った方が良いと考えるよりも、住宅ローンを早めに組んで自宅を購入してしまった方が、広い家で快適な生活を過ごせるのです。
住宅ローンは支払い続ければ、住宅が自分の資産となってくれますが、家賃は何年間支払い続けても、借りている部屋は自分の資産にはなってくれません。
資産形成の方で考えたとしても何年も家賃を支払い続けるよりも、早めに住宅ローンを組んでしまい資産形成に取り組んだ方が良いとも考えられるのです。
ここでは、21世紀以降の住宅ローン金利推移や金利が変動する理由、金利タイプの違いなどについて解説しました。
21世紀以降の住宅ローン金利は、固定金利・変動金利どちらも低金利で推移しています。「変動金利(固定金利)が正解!」など答えはありませんので、自分に合った金利タイプを選択しましょう。
また今後の金利の動向を見てみても、金利の上昇圧力は経済の状況からも小さいですが、下げ幅も小さいため、今後5年10年先は、まだ住宅ローンの金利の大きな変動は起こりにくい状況となっています。
そのため住宅金利のローン金利の低下を待ってから住宅の購入を検討するよりも、頭金が用意できた時点で住宅を購入してしまった方が、広い家で快適な生活を過ごせますし、早く資産形成に取り組めます。
住宅ローンを利用予定の方は、ここで紹介した内容を参考にしてみてください。
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