豆知識
中古マンションは「水周り」に注目!お金のかけどころの考え方とは?
2020.01.08
豆知識
2020.04.18
・はじめに
・株価とリノベーションマンション・中古マンション価格の相関性
・買取再販会社の事業モデル
・では値下げ後の物件であれば買い時と言えるのでしょうか?
・まとめ
<はじめに>
ミタイナに掲載中のリノベーションマンション・中古マンションで価格改定を行っている物件数が増えてきています。
コロナによる影響が拡大する中、本当にリノベーションマンション・中古マンションの価格は下落しているのでしょうか?
価格相場はどうなっていくのでしょうか?
<株価とリノベーションマンション・中古マンション価格の相関性>
株価とマンション価格の相関性が高いという考えがあります。
実際にはどうなのでしょうか?
日本経済新聞の記事「マンション価格、株価に連動?コロナ渦の住宅購入(2020年4月13日 に掲載されている図によると確かに一定の相関はありそうです。
記事では「都心の中古マンションを買う高所得者層は、株価上昇で投資余力が増す→マンション需要が増える」と書いてありますが、今回は事業側の観点で考えてみました。
中古マンションを仕入れ(購入し)、リノベーション工事を行い、リノベーション済みマンションとして販売する会社を”買取再販会社”と呼びます。
買取再販会社の特徴として一番大きいのは、仕入から販売までの期間が長いことです。
仕入れを行ったのち、設計・リノベーション工事の実施を行って初めて、販売へとすすみます。
つまり
仕入契約・決済→設計・施工→販売→販売契約・決済
という流れになります。
ではこの物件を仕入れてから決済までの期間はどれくらいなのでしょうか?
東証一部上場の買取再販企業のインテリックスのIR資料*によると、117日(2016年5月期)となっております。約4か月というところでしょうか。(ただし、これは資金力も販売力もある東証一部企業の話です。上場していない、もう少し小規模の企業ではこの期間が長くなるかもしれません。)
この約4か月という数字は非常に重要な数字です。
(*同社への詳細な取材等を行っているわけではないので、以下は推定となります。
また買取再販企業で上場している企業が少ないため、参考までに数値を使用しているため、同社の経営についての意見ではありません。)
インテリックス社の2019年5月31日時点の有利子負債(すなわち銀行借入)は約238億円あります。一方で同社の年間売上は369億円ですので約30億円の月間売上ですね(買取再販以外の売上もあります)。
銀行借入を月間売上の約8か月相当分になります。
そして在庫(販売用不動産と仕掛販売用不動産の合計)は186億円あり、これは月間売上の6か月分となります。
つまり4か月の販売期間と在庫のために、約8か月分の銀行借入と足元の資金を使っているという構図になります。
しかしもし不況になり、売上が減ったらどうなるのでしょうか?
在庫は8か月以上となり、売上次第では1年以上の在庫を抱えることになります。
こうなると日々のキャッシュフローを確保しなくてはならず、資金繰りに大きな影響が出てきます。なぜなら企業は、固定費(人件費をはじめとする企業を運営するのに毎月かかる費用)や借入金の返済・利息支払いがあるためです。
(繰り返しになりますが、インテリックス社のことではなく、一般的な買取再販企業のリスクとして記載しています。)
このためこのような不況時には、値下げをして、場合によっては赤字になったとしても、在庫を売り切り資金を確保したいという気持ちが強くなります。
では粗利率はどれくらいでしょうか?
さきほどのインテリックス社ですと2019年度が12.8%、2018年度が11.8%となっています(株式会社インテリックス 有価証券報告書より)。
一方でもう少し規模の小さな企業ですと、粗利率は低くなるようです。
例えばオレンジワークス社の利益率は8-10%(リフォーム産業新聞2014年9月2日16面)とのことですが、3000万円の物件だと240万円から300万円くらいになりますね。
ただし粗利はそのまま利益になるのではなく、営業にかかわる費用や固定費、利息の支払い等もあるので、これらを考慮すると数%値下げしただけでも、最終利益はマイナスになる可能性があります。
上記の通り、リノベーションマンションを販売する買取再販企業の事情からすると、採算度外視という観点も生まれるため、買い時と言えるかもしれません。不動産全体の相場もありますが、一般的には新築マンションと比較すると中古マンションのほうが安くなっており、相場の影響を受けづらいため、結果として買い時と考えられるかもしれません。
また新築マンションと違い、リノベーションマンション・中古マンションは一点もの(売り物件がないと買えない)であるため、条件に合った場合は、購入しないとなくなってしまうので、価格改定のタイミングで購入するというのは必ずしも悪い選択肢ではなさそうです。
現状株価が下落する局面では、購入余力のある潜在顧客層の数が減り、結果として需要が減る傾向があります。
この場合、事業モデル上、借入金が多く利益率も10%前後の企業が多いリノベーションマンションを販売する企業は、値下げをして現金を確保する動きが出てきます。
上記を考慮するとこの株価下落局面でリノベーション・中古マンションを購入するのは、よいかもしれませんね。
ミタイナ掲載物件で、価格改定済み物件一覧はこちらです。
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リノベーションマンション 買い時のタイミングとは?
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