リノベ・中古マンション購入の注意点!築年数によって違う2つの耐震基準2020年05月19日

中古マンションを購入する際の悩みどころとして「築年数」がありますよね。築年数が浅ければより新築に近い状態のため、なるべく築年数の浅いマンションを希望する人も少なくないでしょう。しかし、築年数の浅いマンションは価格が高く、メンテナンスの有無が分からないといった面もあります。

そこでひとつの指標となるのが「耐震基準」です。マンションには旧耐震基準と新耐震基準があり、これによりどのマンションを選ぶべきか判断がつきやすいです。ただ古い耐震基準が必ずしも悪いというわけではありません。ここでは、中古マンションを選ぶ際に押さえておきたいポイントや、新旧で耐震基準がどのように違うのか詳しくご紹介していきます。

築年数が浅いマンションにもデメリットはある

中古マンションは築年数が浅ければ良いというわけではありません。新築に近いマンションほど魅力的ですが、反対にいえば「買ったけれど僅か数年で売りに出した理由がある」とも考えられます。

例えば、新築で購入したけれど、近隣の住民と人間関係でトラブルが起きて、数年で出て行ったということもあるでしょう。そのような理由を不動産会社が説明してくれることは少なく、いざ購入して住んでみたらご近所トラブルに巻き込まれてしまった、ということもあります。

また、築年数が浅いマンションの場合、購入当初は資産価値が高くても、売却時には価格が大幅に下落していることが多いです。基本的にマンションの資産価値は20年を目安に下がり続けます。築3年のマンションを5,000万円で購入したが、築20年が経過したときに手放そうとしても3,000万円でしか売れない、といったケースもあるのです。

しかし、長く住み続けるのであれば売却時のいわゆる値崩れについて考慮する必要はありません。また築年数が浅いマンションのほうが融資を組める金融機関は多いため、購入しやすいというメリットもあるでしょう。

築20年が経過したマンションにも良いところはある

先ほどもお伝えした通り、マンションの資産価値は築20年を目安に下がり続けます。つまり、築20年を過ぎたマンションであれば、資産価値がそれ以上減ることは少ないとみていいでしょう。そのため、あえて築20年を過ぎたマンションを購入すれば、その後売却することになっても、購入価格と比較して大きな下落のリスクを回避することができます。

また、築20年以上経過したマンションのほうが、メンテナンスがどの程度行われているのかを判断できます。多くのマンションでは、建設しておよそ16年後に大規模な改修工事が行われています。その工事が適切に行われるかどうかでマンションの寿命も変わるため、改修後のマンションのほうが購入後も安心して住み続けられるかどうか判断できることもあるでしょう。

そして、築年数が経過したマンションの場合、良くも悪くもさまざまな情報を得ることができます。「近くに大型スーパーがオープンしたから生活しやすい」とか「外見は古いが管理会社がこまめに手入れしてくれているから、清潔感があって住みやすいようだ」など、年数が経っていればいるほど、多角的に得られる情報があるというメリットもあります。

中古マンションは何年くらいのものを狙うべきか

ここまで築年数が浅いマンションと、築20年以上が経過したマンションについて比べてみました。一概にどちらが良いかとは言いにくいのですが、築浅と20年以上が経過した中古マンションの選び方をまとめると、次のようになります。

〈築浅を選んだほうが良いケース〉
・多少コストが掛かっても設備は新しいほうがいい人
・安心して融資を組みたい人
・売却目的ではない、長期にわたって住み続けたい人

〈築20年以上のマンションが良いケース〉
・立地条件で物件を選びたい人
・売却する可能性もある人
・リノベーションを検討している人

マンションは建てられている立地によって値段がだいぶ変わります。大都市の主要駅に近いマンションであれば、たとえ築年数が40年経過していても、近郊の新築マンションと値段が変わらないことも少なくありません。

そして、中古マンションを選ぶもう1つのポイントが「耐震基準」です。耐震基準は新しい基準のほうが良いというイメージがありますが、必ずしもそうではありません。次に中古マンション選びにおいて、重要な耐震基準について詳しくご説明します。

中古マンションを購入する際にチェックしたい2つの耐震基準

マンションに限らず、全ての建築物には耐震基準が義務付けられています。日本は地震が多い国なので、定められた耐震基準をクリアしないと、その建物は建設することができません。

マンションには「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2つがあります。分かりやすくいうと1981年5月31日以前に建てられたマンションは旧耐震基準であり、それ以降に建てられたマンションは新耐震基準にあたります。

どちらの耐震基準においても、「数十年に1度起きる大きな地震」に対し、建物が倒壊しないよう強さを設定しています。特に新耐震基準の場合は、建物の崩壊を防ぐのではなく、中地震でもほとんど損傷しない強度を目的に設定されているため、安心です。

実は旧耐震基準でもそれほど心配はない

そのような情報を聞くと、1981年以前に建てられたマンションは「旧耐震基準」なので、その物件は選ばないほうがいいと感じるかもしれません。確かに新耐震基準のほうが、損傷をしない程度の強度を求められているため、厳しい基準が設けられているようにも受け取れます。

しかし、新耐震基準が定められたあと、日本では阪神淡路大震災と、東日本大震災という巨大な地震に襲われました。そこで分かったことは、実は「旧耐震基準のマンションであってもそこまで甚大な被害は出なかった」ということです。つまり、新耐震・旧耐震における被災状況には大差はなかったのです。

しかし、被害状況はマンションの管理体制において違いがあります。築年数に関わらず、しっかりとメンテナンスがされているマンションは、旧耐震基準であっても甚大な被害は見受けられませんでした。反対に、築浅で新耐震基準のマンションであっても、大規模修繕が行われていないようなマンションの場合は、震災後に大きな被害が出てしまったのです。

つまり、旧耐震だから危険、新耐震だから安全と考えるのは違っており、「マンションのメンテナンスにより安全性は変わってくる」と認識をしたほうがいいでしょう。

中古マンションは古い戸建てよりも安心

ちなみに戸建住宅の場合でも、1981年に耐震基準の改正が行われています。戸建ての耐震基準も旧・新にわかれており、旧耐震の場合は「震度5以上の地震に耐えられる住宅」が目的とされました。しかし、改正が行われた新耐震では「震度6強以上の地震で倒れない住宅」に変更されています。

戸建ての耐震基準の場合、明確に震度が変わっていること、そして耐える住宅から「倒れない住宅」への指針変更もあり、新耐震基準のほうが安心感があります。実際のところ、阪神・淡路大震災では、新耐震基準である建物の7割以上がほぼ被害にあわずに済んだというデータもあります。

こうしたことから、戸建の旧耐震基準の建物には注意が必要であり、耐震工事のリフォームも必要になってきます。旧耐震基準だけに注目すると、マンションのほうが戸建てより安心できるといえるでしょう。マンションの場合は、旧耐震基準であってもそれほど甚大な被害が出ることは少なく、その建物のメンテナンスが行われているかどうかに注目することが大切です。

見落としがちな中古マンションの選び方

ここからは、中古マンションを選ぶ際のポイントについて紹介します。基本的な選び方のポイントとしては次のようなものがあります。

・予算を決める
・希望するエリアを絞る
・部屋の広さを決める

これらのポイントは、物件探しにおいて鉄則といえるでしょう。またマンションには耐震基準が設けられていますが、前述した通り、旧耐震基準である古いマンションであっても、しっかりとしたメンテナンスが行われていればそれほど心配する必要はありません。それを踏まえた上で、マンション選びで忘れがちなポイントをお伝えします。

内見は部屋ばかりでなく共用部分も確認

マンションの内見を行う際、自分が住む部屋ばかり注目するのはNGです。マンションを見学する際は、必ず共用部分をくまなくチェックしてみましょう。しっかりとメンテナンスがされているようであれば、そのマンションの管理会社が機能していると判断することができ、将来住むことになっても安心できます。
共用部分の具体的なチェック場所は次のような部分です。

・エントランスや廊下が汚れてはいないか
・エントランスにのソファなどがある場合、傷んでいないか
・ゴミ置き場の清掃、自転車置き場の状態も確認
・プレイルームの状態確認

例えば、プレイルームはマンションに住む子ども同士が遊べる場所として活用されています。しかし、おもちゃが散乱してそのまま放置されていたり、壁に穴が空いていたりするプレイルームは要注意です。そこのマンションの管理会社や住民は「子どもに関心が薄く放置気味」であることが分かり、いざ住んでみたら子どもの騒ぐ声で生活しにくい、ということもあるでしょう。

反対にプレイルームが片付いており、大人も落ち着けるような空間の場合、住民同士が協力して子どもを育てていたり、管理会社もしっかりしていることが考えられます。共用部分からマンションでの生活が垣間見えることも多いので、くまなくチェックすることをおすすめします。

ハザードマップを確認

物件選びの際、ハザードマップを確認している人は少ないようです。しかし、自然災害が多発している現代、自分が住む場所にどのような危険があるのか確認しておくことは重要です。特に旧耐震基準である古いマンションの場合、そこで予想される自然災害がどのようなものなのか、ある程度予測しておいたほうがいいでしょう。

また景観の良いマンションは資産価値が高いものの、自然災害のリスクもあります。川沿いに建っているから夏は花火が見えるといったマンションは人気ですが、台風で川が増水し、洪水や浸水のリスクもあるでしょう。

これらのリスク対策としては、国土交通省におけるハザードマップを確認するのが大切です。また、過去に起きた災害やそれに対してどう対応したのかなど、管理人さんなどに聞いておくといいでしょう。

資産価値も確認

中古マンションを購入する際「生涯ここに住むので売る気はない」と考える人もいるでしょう。しかし、人生は何が起きるか分かりません。住み始めてから間もなく引っ越しを余儀なくされるというケースもあるので、中古マンションであっても、売却する際の資産価値を確認しておきましょう。

資産価値の決め手の多くは「不動産鑑定評価」によるものです。つまり、マンションの立地により、価値はおおよそ決まってきます。築50年が経過しているようなマンションでも、一等地に建っていて人気があるエリアだった場合、資産価値は高い傾向があります。

また、管理体制によっても資産価値は変わってきます。人気エリアに建っているマンションでも、エレベーターが壊れていたり、水漏れが起きたりするマンションであれば、買い手はつきません。

購入当初はマンションを売る気がなくても、将来はどうなるか分かりません。資産価値を高めるためにも、やはり管理体制がしっかりしているマンションを選ぶことが大切です。

あえて夜間に訪れてみる

マンションに限らず、物件選びとして大切なポイントが「夜に訪れる」ことです。日中訪れたときに見たマンションと、夜に見るマンションでは、かなりイメージが異なって見えることも多いのです。夜になってからマンションを訪れると、次のようなことが分かります。

・夜間の騒音
・マンションのエントランスや駐車場の明るさ
・周辺の雰囲気
・交通量の増減

夜は辺りが静かなこともあり、騒音を立てている住民がいた場合は外からでも分かるでしょう。一向に鳴りやまない騒音があった場合には、厄介な人が住んでいたり、管理体制が機能していなかったりすることが考えられます。

また、立地によっては夕刻から夜間にかけて交通量が増えるマンションもあります。子どもがいる場合は事故のリスクを考えたり、車の排気量などを考慮する必要もあります。このようなことは昼間には分からないこともあるので、なるべく夜間にも足を運んでみるといいでしょう。

まとめ

中古マンションの数は増え続けており、もはや都内においては新築よりも中古マンションのほうが売れてるという現実があります。特に人気エリアにおいては築年数がかなり経過しているマンションも増えており、旧耐震基準のマンションが修繕工事を繰り返しながら売られていることも多いです。

そのようなマンションであっても、しっかりとした管理体制のもと、正しいメンテナンスが行われているのであれば安心です。耐震基準をチェックしつつ、共用部分の状態などを見極め、長く住めるマンションかどうかを判断していきましょう。