リノベ・中古マンション購入の注意点!築年数によって違う2つの耐震基準とおすすめの築年数

豆知識

2020.05.26

更新日:2020年5月26日

中古マンションを購入する際の悩みどころとして「築年数」がありますよね。築年数が浅ければより新築に近い状態のため、なるべく築浅のマンションを希望する人も少なくないでしょう。しかし、築年数の浅いマンションは価格が高く、メンテナンスの有無が分からないといった面もあります。

そこでひとつの指標となるのが「耐震基準」です。マンションには旧耐震基準と新耐震基準があり、これによりどのマンションを選ぶべきか判断がつきやすいです。ただ古い耐震基準が必ずしも悪いというわけではありません。ここでは、築年数によって違う2つの耐震基準と、築浅マンションと築20年以上が経過したマンションのメリット・デメリットなどをご紹介していきます。

中古マンションを購入する際にチェックしたい2つの耐震基準

マンションに限らず、全ての建築物には耐震基準が義務付けられています。日本は地震が多い国なので、定められた耐震基準をクリアしないと、その建物は建設することができません。

マンションには「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2つがあります。1981年5月31日以前に建てられたマンションは旧耐震基準であり、それ以降に建てられたマンションは新耐震基準にあたります。

どちらの耐震基準においても、「数十年に1度起きる大きな地震」に対し、建物が倒壊しないような強度を設定しています。特に新耐震基準の場合は、中地震でもほとんど損傷しない強度を目的に設定されているため安心です。

実は旧耐震基準でもそれほど心配はない

そのような情報を聞くと、1981年以前に建てられたマンションは「旧耐震基準」なので、その物件は選ばないほうがいいと感じるかもしれません。確かに新耐震基準のほうが、損傷しない程度の強度を求められているため、厳しい基準が設けられているようにも受け取れます。

しかし、新耐震基準が定められたあと、日本は阪神淡路大震災と、東日本大震災という巨大な地震に襲われました。そこで分かったことは、実は「旧耐震基準のマンションであってもそこまで甚大な被害は出なかった」ということです。つまり、新耐震・旧耐震における被災状況に大差はなかったのです。

ただし、被害状況はマンションの管理体制において違いがあります。築年数に関わらず、しっかりとメンテナンスがされているマンションは、旧耐震基準であっても甚大な被害は見受けられませんでした。反対に、築浅で新耐震基準のマンションであっても、大規模修繕工事が行われていないようなマンションの場合は、震災後に大きな被害が出てしまったのです。

つまり、旧耐震だから危険、新耐震だから安全と考えるのは違っており、「マンションのメンテナンスにより安全性は変わってくる」と認識したほうがいいでしょう。

中古マンションは古い戸建てよりも安心

ちなみに戸建住宅の場合でも、1981年に耐震基準の改正が行われています。戸建ての耐震基準も旧・新にわかれており、旧耐震の場合は「震度5以上の地震に耐えられる住宅」が目的とされました。しかし、改正が行われた新耐震では「震度6強以上の地震で倒れない住宅」に変更されています。

戸建ての耐震基準の場合、明確に震度が変わっていること、そして耐える住宅から「倒れない住宅」への指針変更もあり、新耐震基準のほうが安心感があります。実際のところ、阪神・淡路大震災では、新耐震基準である建物の7割以上がほぼ被害にあわずに済んだというデータもあります。

こうしたことから、戸建の旧耐震基準の建物には注意が必要であり、耐震工事のリフォームも必要になってきます。旧耐震基準だけに注目すると、マンションのほうが戸建てより安心できるといえるでしょう。

古いマンションほど悪いと思っていませんか?

前項で説明したとおり、旧耐震基準でも大きな問題はありません。それでも、中古マンションを選ぶとき、なるべく築年数は新しいものを選びたいと考える人も多いでしょう。確かに築30年が経過したようなマンションの場合、その多くは外見が古くなり、部屋の設備なども使い勝手が悪いことがあります。

ただ、古いマンションには意外にも多くのメリットがあります。ここでは、築浅のマンションと築20年以上が経過したマンション、それぞれのメリット、デメリットについて見ていきましょう。

築10年以内、築浅中古マンションのメリット

まずは築浅マンションのメリットを見ていきます。

・外見や部屋が新しい
・新耐震基準により安心感がある
・セキュリティ面が強化されている物件が多い
・設備が新しく住み心地が良い

築浅マンションの場合、最新の設備やセキュリティ対策が施されていることが多いです。例えば、30年前にはスイッチひとつで給湯できるお風呂は画期的でしたが、いまではそれが当たり前になり、浴室乾燥機といったさらに便利な設備がついています。

築年数が浅い物件ほど住みやすい設備は整っており、なおかつ全ての面において新しさがあります。これから自分が長く住むことを考えたら、築浅の新しい物件を選びたいと考える人は多いでしょう。

築浅物件にあるデメリット

その一方で、築浅の中古マンションには次のようなデメリットもあります。

・大規模修繕工事が終わっていないこともある
・資産価値が大きく下がる可能性が高い
・日照眺望が保証されない
・住人同士のコミュニティがやや不安定なこともある

マンションはおよそ15年おきに大規模修繕工事が必要になります。築10年未満の築浅マンションの場合、購入したあとにすぐ大規模修繕工事が始まってしまうケースも多く、生活に支障が出たり、修繕積立金が上がったりすることも考えられます。

また、市場全体ではマンション価格は築20年までを目安にどんどん下がり続け、築20年以降の価格下落は一気になだらかになります。東日本不動産流通機構によると、2017年の不動産流通市場の動向として、中古マンション成約単価は、築0~5年の㎡単価76.97万円が最も高く、6~10年で65.53万円、11~15年で58.65万円、16~20年で49.67万円、21~25年で34.95万円、26~30年で29.49万円、31年以上は31.19万円となっています。下のグラフからわかるように、築20年までは急激に価格が下がり、20年目以降はなだらかな下落になっています。ただしこれは、特定のマンションの価格が20年目以降は下がりづらいということではなく、2017年時点での築年数別の平均価格です。

参考:http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201802.pdf

築20年が経過したマンションにも良いところはある

次に築20年が経過したマンションのメリット・デメリットについてみていきましょう。築浅物件ではなく、あえて築20年以上が経過したマンションを選ぶ理由は何なのでしょうか?

築20年が経過した中古マンションのメリット

築20年以上が経過したマンションはとても古いイメージがあります。しかし、古いからこそ次のようなメリットもあります。

・築浅物件に比べると物件価格が安いことが多い
・大規模修繕工事が終わっている場合は耐震面でも安心できる
・購入後の価格下落幅が小さいため、資産価値が落ちにくい
・リフォーム・リノベーションをすれば新築同様快適に住める
・立地条件の良い物件が多い

前項で説明したとおり、日本の中古マンションの場合、築年数20年を目安に価格は下がり続けます。つまり、築20年が経過したマンションは底値で売られているとも考えられ、好条件の物件を安い価格で購入できることもあります。

また、マンションを建てる際は良い立地から埋まっていきます。古いマンションほど駅に近い場所に建てられていることが多く、立地の面に関しては新築よりも好条件がそろっていることも多いのです。

デメリットは設備が古いこと

築20年以上が経過したマンションは経年劣化により、次のようなデメリットがあります。

・見た目や部屋の設備が古い
・旧耐震基準の場合、地震の際不安になることもある
・最新の設備やセキュリティが整っていることは期待できない
・適切な管理がされていないと設備に不備が出てくる可能性が高い

冒頭でもお伝えしているとおり、築年数が経過しているマンションで旧耐震基準のものであっても、しっかりとメンテナンスが行われているマンションであればそれほど心配はありません。管理体制が整ったマンションであれば、築何年が経過していても快適に暮らすことが可能なのです。

また、築20年以上が経過したマンションの場合、見た目や設備に関する古さはありますが、リフォームやリノベーションを行うことにより快適に暮らせることも多いです。中古マンションのなかには、あらかじめ内装がきれいに施されているリノベーションマンションもあり、大変人気です。

古いマンションほど固定資産税は安定している

住宅を購入したら支払い続けなくてはならないのが固定資産税です。固定資産税の金額は【「固定資産税評価額」×概ね全国共通の「標準税率」1.4%】という計算で決められます。

固定資産税は、令和4年3月31日までに建てられた新築物件に対して減額措置があります。3階建て以上のマンションの場合、5年間は固定資産税が2分の1に減額されます。つまり、新築マンションに住めば、はじめの数年間は固定資産税がとても安いという特徴があるのです。

ただ、その優遇措置が終わったとたん、固定資産税は跳ね上がります。この固定資産税の急な値上がりにより、新築マンションの返済計画が狂ってしまう人もいるでしょう。

その点、築20年が経過している中古マンションの場合、はじめから優遇措置はないため、安定した金額で計画を立てることができます。固定資産税評価額は毎年、国土交通省が定める「地価公示価格」の70%を目処に計算されます。建物部分については、経年劣化のために年々下がっていくのが一般的なので、固定資産税が値上がりするということは滅多にありません。支払う税金が安定していることも、中古マンション購入におけるメリットといえるでしょう。

実は築20年が経過した中古マンションはおすすめ

こうして見ると、築浅のマンションも、築20年以上が経過したマンションも、それぞれに良し悪しがあります。

ただ、築年数が経過したマンションの方が大きな値崩れはなく資産価値が安定しています。また、内装をリフォームすることで快適に暮らすことができるため、築20年以上が経過したマンションはおすすめです。

築浅と築20年以上が経過した中古マンションの選び方をまとめると、次のようになります。

〈築浅を選んだほうが良いケース〉
・多少コストが掛かっても設備は新しいほうがいい人
・セキュリティ面を重視したい人
・売却目的ではない、長期にわたって住み続けたい人

〈築20年以上のマンションが良いケース〉
・立地条件で物件を選びたい人
・売却する可能性もある人
・リノベーションを検討している人

見落としがちな中古マンションの選び方

ここからは、中古マンションを選ぶ際のポイントについて紹介します。基本的な選び方のポイントとしては次のようなものがあります。

・予算を決める
・希望するエリアを絞る
・部屋の広さを決める

これらのポイントは、物件探しにおいて鉄則といえるでしょう。またマンションには耐震基準が設けられていますが、前述した通り、旧耐震基準である古いマンションであっても、しっかりとしたメンテナンスが行われていればそれほど心配する必要はありません。それを踏まえた上で、マンション選びで忘れがちなポイントをお伝えします。

内見は部屋ばかりでなく共用部分も確認

マンションを見学する際は、居住スペースだけでなく、共用部分をくまなくチェックしましょう。しっかりとメンテナンスがされているようであれば、そのマンションの管理会社が機能していると判断することができ、実際住むことになっても安心できます。
共用部分の具体的なチェック場所は次のような部分です。

・エントランスや廊下が汚れてはいないか
・エントランスにソファなどがある場合、傷んでいないか
・ゴミ置き場の清掃、自転車置き場の状態も確認
・プレイルームの状態確認

例えば、プレイルームはマンションに住む子ども同士が遊べる場所として活用されています。しかし、おもちゃが散乱してそのまま放置されていたり、壁に穴が空いていたりするプレイルームは要注意です。そこのマンションの管理会社や住民は「子どもに関心が薄く放置気味」であることが分かり、いざ住んでみたら子どもの騒ぐ声で生活しにくい、ということもあるでしょう。

反対にプレイルームが片付いており、大人も落ち着けるような空間の場合、住民同士が協力して子どもを育てていたり、管理会社もしっかりしていることが考えられます。共用部分からマンションでの生活が垣間見えることも多いので、くまなくチェックすることをおすすめします。

ハザードマップを確認

物件選びの際、ハザードマップを確認している人は少ないようです。しかし、自然災害が多発している現代、自分が住む場所にどのような危険があるのか確認しておくことは重要です。特に旧耐震基準である古いマンションの場合、そこで予想される自然災害がどのようなものなのか、ある程度予測しておいたほうがいいでしょう。

また景観の良いマンションは資産価値が高いものの、自然災害のリスクもあります。川沿いに建っているから夏は花火が見えるといったマンションは人気ですが、台風で川が増水し、洪水や浸水のリスクもあります。

これらのリスク対策としては、国土交通省におけるハザードマップを確認するのが大切です。また、過去に起きた災害やそれに対してどう対応したのかなど、管理人さんなどに聞いておくといいでしょう。

資産価値も確認

中古マンションを購入する際「生涯ここに住むので売る気はない」と考える人もいるでしょう。しかし、人生は何が起きるか分かりません。住み始めてから間もなく引っ越しを余儀なくされるというケースもあるので、中古マンションであっても、売却する際の資産価値を確認しておきましょう。

資産価値の決め手の多くは「不動産鑑定評価」によるものです。つまり、マンションの立地により、価値はおおよそ決まってきます。築50年が経過しているようなマンションでも、一等地に建っていて人気があるエリアだった場合、資産価値は高い傾向があります。

また、管理体制によっても資産価値は変わってきます。人気エリアに建っているマンションでも、エレベーターが壊れていたり、水漏れが起きたりするマンションであれば、買い手はつきません。

購入当初はマンションを売る気がなくても、将来はどうなるか分かりません。資産価値を高めるためにも、やはり管理体制がしっかりしているマンションを選ぶことが大切です。

あえて夜間に訪れてみる

マンションに限らず、物件選びとして大切なポイントが「夜に訪れる」ことです。日中訪れたときに見たマンションと、夜に見るマンションでは、かなりイメージが異なって見えることも多いのです。夜になってからマンションを訪れると、次のようなことが分かります。

・夜間の騒音
・マンションのエントランスや駐車場の明るさ
・周辺の雰囲気
・交通量の増減

夜は辺りが静かなこともあり、騒音を立てている住民がいた場合は外からでも分かるでしょう。一向に鳴りやまない騒音があった場合には、厄介な人が住んでいたり、管理体制が機能していなかったりすることが考えられます。

また、立地によっては夕刻から夜間にかけて交通量が増えるマンションもあります。子どもがいる場合は事故のリスクを考えたり、車の排気量などを考慮する必要もあります。このようなことは昼間には分からないこともあるので、なるべく夜間にも足を運んでみるといいでしょう。

まとめ

中古マンションの数は増え続けており、もはや都内においては新築よりも中古マンションのほうが売れてるという現実があります。特に人気エリアにおいては築年数がかなり経過しているマンションも増えており、旧耐震基準のマンションが修繕工事を繰り返しながら売られていることも多いです。

そのようなマンションであっても、しっかりとした管理体制のもと、正しいメンテナンスが行われているのであれば安心です。耐震基準をチェックしつつ、共用部分の状態などを見極め、長く住めるマンションかどうかを判断していきましょう。

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