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中古マンション購入は、新築マンションよりも購入費用を抑えられたり、希望エリアでの選択肢が広がったりするなどのメリットがあります。「中古マンションを購入しよう」と考えても、その探し方に悩む人が多いのではないでしょうか?
新築マンションよりも選択肢が広い中古マンションは、闇雲に探しても良い物件に巡り合えません。そこで、この記事では、良い中古マンションを探す方法を解説します。物件探しを始める前に決めておきたい条件や、注目するポイントを紹介しますのでぜひ参考にしてください。
スムーズに中古マンションを探すためには、探し始める前に譲れない条件を決めておく必要があります。なんとなくのイメージで探し始めると「探している間に予算が上がった」「慌てて決めたので希望の設備の有無を見落としていた」など、後悔につながりかねません。
そこでここからは、中古マンションを探す前に決めておくべき条件をご紹介します。一緒に住むご家族やパートナーがいる場合は、それぞれの意見も反映させながら検討しましょう。
住宅購入にあたり、もっとも重視されるのが予算です。予算計画を綿密に立てなければ、購入後に支払いができなくなるなど、トラブルになる可能性があります。最悪の場合、返済ができずに自己破産につながるケースもあります。
曖昧な予算計画では、無理して購入に踏み切って後悔することもあります。失敗しないためにも、まずは予算をはっきりさせておきましょう。
購入を検討する物件価格の目安は、2021年の金利水準だと一般的に年収の7-8倍程度といわれています。しかし、年収だけでは、それぞれの家庭が持つ資金は判断できません。頭金の金額や毎月の返済額によっても大きく異なるため、ひとつの目安として考えましょう。
また、予算を立てる際は、月々に払うローンの返済額と合わせて管理費や修繕積立費なども考慮する必要があります。とくに住宅ローンは、ボーナス払いに頼りきる返済プランでは破綻する恐れがありますので、無理のない範囲で計画しましょう。
仲介会社によっては、お金のプロが返済計画のサポートをしてくれる会社もあるので、相談してみるのもおすすめです。
不動産仲介会社には、住宅ローンアドバイザー資格(一般財団法人住宅金融普及協会)を持つ営業マンもいます。住宅ローンアドバイザー資格を持つ営業マンは、住宅ローンについて専門的な知識を有するため、このような営業マンに相談し、無理のない計画を立てることもおすすめです。
中古マンション探しをスムーズに進めるため、住みたいエリアも決めておきましょう。中古マンションは、新築マンションよりも物件数が多く、住みたいエリアが広範囲にわたると選択肢が広すぎて絞りきれなくなります。
そのため、職場への通勤時間や住み心地の良さ、利便性、子どもの学区など、さまざまな点から希望エリアを検討しましょう。物件数の少ないエリアであれば、交通手段を変えてエリアを広げてみるのもおすすめです。
また、今まで住んだことのない区などに引っ越す予定であれば、物件探しの前に町の雰囲気を確かめ、住環境に問題がないか判断しておくと安心です。
子供の小学校・中学校の学区は、区によっては厳しい制限を設けている場合もあります。受験や子供の交友関係など、一度進学すると転校するのはなかなか大変です。学区については慎重に検討しましょう。
設備の条件を決めておくことも大切です。希望の築年数はもちろん、広さや間取り、室内設備に関する希望も定めておきましょう。
IHコンロや床暖房、浴室暖房など基本的な設備はリフォームで取り付け可能です。しかし、すべてを取り換えるとなれば、その分購入にかかる費用が増えてしまいます。そのため、室内設備が新しいものに取り換えられていることを希望条件に組み込んでおいても良いでしょう。
せっかくの素敵な部屋も、収納スペースがないと、散らかってしまいます。また棚を購入して設置すると、部屋が当初のイメージよりも狭くなってしまいます。
ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットなど、収納があらかじめ設置されているマンションもおすすめです。
マンション購入前の段階で景色まで意識する人は少ないかもしれません。しかし、長く住むのであれば、窓から見える景色も重要になります。高層階であれば、眺望が良くバルコニーで優雅なひと時を過ごせるでしょう。
近隣に同じようなマンションが乱立している場合は、窓からお互いの部屋が見えてしまう可能性もあります。
特に昨今では「おうち時間」が増えている方も多いと思いますので、「緑が見える部屋」「見晴らしのいい高層階」など、景色に対するこだわりポイントを決めておくと良いでしょう。
中古マンション購入にあたり、周辺環境に関する条件も決めておく必要があります。繁華街が近ければ夜遅くまで賑やかですし、幼稚園や保育園が近ければ子どもの声が響くこともあるでしょう。
そのため、自身のライフスタイルに合った環境を希望としてまとめておきます。例えば、職場までの利便性、病院や買い物ができるお店が近いか、駅やバス停までの道のり、学校や公園などの施設など譲れないポイントを挙げておきましょう。
希望の条件をまとめたら、中古マンション探しに入ります。決めておいた条件をクリアしているかチェックしながら進めましょう。しかし、選択肢が多い中古マンションとはいえ、100%条件をクリアしている物件に出会える可能性は低いと考えられます。
そのため、決めておいた条件の70~80%クリアしている物件を見つけるつもりで探すと良いでしょう。そのほか、中古マンションを探す際にはいくつかチェックしておくべきポイントがあります。ここからは、注目ポイントを室内整備、管理状況、周辺環境別にご紹介します。
中古マンションを購入する際は、部屋の広さだけでなく、リフォームやリノベーションの有無、室内設備のメンテナンス状況などを把握しておく必要があります。具体的な室内設備の注目ポイントは以下のとおりです。
まず確認したいのは、部屋の広さや間取りです。売却者が居住中であれば正確な広さを把握できないかもしれません。しかし、家具が入った実際の広さや生活感をイメージしやすいといった利点もあります。
間取りは、世帯人数に合っているか、それぞれの趣味やライフスタイルを大切にできるかなどを確認します。また、実際に住むことを想像して生活導線や家事動線も確認しておきたいですね。
中古マンションは築年数によって、すでにリフォームが施されている場合が少なくありません。しかし、設備的には問題がないものの、入居前にリフォームした方が心地良く住めるケースもあります。
「いつどのような修繕がおこなわれたのか」「何年前にどのようなリフォームをしたのか」など、状況を確認しておきましょう。気に入った物件がリフォーム必須の状態であれば、リフォーム代を追加しても問題ないか予算計画の立て直しが必要です。
中古マンション購入の目的として「安く購入してリノベーションしたい」「自分好みにカスタマイズする」などの希望を持つ人も少なくないでしょう。
そこで確認しておきたいのがリノベーションが可能かどうかです。なかには、建物の構造上の制約や管理規約によってリノベーションな部分があるケースも珍しくありません。
また、劣化の目立つ窓や玄関のドアが、共用部分のため変更不可であることもあります。そのため、気になる物件があれば早い段階で管理会社に規約を確認しておきましょう。
ヴィンテージマンションと呼ばれる高級中古マンションの場合、フローリングの使用が禁止されているケースがあります。この場合、カーペット等、別の手段を考えなくてはいけません。
またフローリング工事を行う場合、一定水準以上の防音性能を持つフローリングのみ使用可能というケースもあります。
多いケースとして、LL-45以下のみ可能という場合があります。
LLとは軽量床衝撃音遮断性能値のことで、JAFMA・日本複合・防音床材工業会では、LL-55以下を防音床材としており、その中でもLL-45以下の水準がより推奨されています。
LL-45の水準を満たす床材の中から、フローリングを選ばないといけない場合もありますので、注意が必要です。
マンションの内見をおこなった際は、室内設備のメンテナンス状況を確認しておきましょう。設備が新築時のまま交換されていない場合は、メンテナンス費用が追加で必要な場合もあります。
とくにコンロや水回りの設備は10年程度が交換の目安となっているため、修繕履歴を確認しておきましょう。そのほか、実際に生活するうえで不便な点がないかどうか念入りにチェックします。
マンション購入にあたり、後悔がでやすいのが日当たりや方角です。周囲がビルに囲まれて日当たりが良くないなど、内見時には気付かなかいケースも多くあります。
人気の南向き物件を選んだとしても、周辺にマンションやビルがあれば日の入りが妨げられる可能性があります。とくに朝日の入り方は生活スタイルに大きく影響するため、事前に確認しておきましょう。
中古マンションは、管理状況によって今後の価値や住み心地に大きな影響があります。場合によっては、十分な管理がなされておらず、建物の劣化が早くなり、資産価値を損ねる恐れもあります。管理状況は、以下のポイントに注目しましょう。
マンションの内見をおこなう際は、室内にばかり気を取られず共用部分の管理状況をチェックしましょう。建物の基礎や内部は確認できませんが、コンクリートのヒビやタイルに浮きがないか、塗装が定期的に行われているか、管理状況のチェックは可能です。
購入を検討している中古マンションの築年数によっては、すでに修繕がおこなわれているケースもあるでしょう。そのような場合は、修繕記録を問い合わせてみることをおすすめします。明確な記録が提示されない場合は、しっかり管理されていない可能性があります。
住民が毎日のように使用する駐車場やエレベーターを確認すれば、管理状況だけでなく住民の質を確かめられます。エレベーター内に落書きがあったり、駐車場にゴミが散乱している場合は定期的な管理がなされておらず、住民の民度が低いといった背景がうかがえます。
一定の管理を行っているマンションの場合、定期調査を行っています。この場合、昇降機に関する定期調査報告書が管理事務所に保存されていますので、確認してみるとよいでしょう。
そのほか、ゴミ置き場の使い方や駐輪場の自転車の止め方なども、大切な確認項目です。
特にゴミ置き場は軽視してはいけません。ゴミ置き場こそ、マンション居住者のマンションに対する気持ちや心掛けが表れます。管理状態の良いマンションで、ゴミ置き場が整理されておらず、汚いということは、まず有り得ません。
また駐輪場についても、許可証の代わりとなるシールを自転車が貼っていることはもちろん、秩序なく、適当に駐車しているのではなく、指定された位置にしっかりと止められているといったことも大切です。
中古マンション購入時は、物件価格だけでなく修繕積立金も意識しましょう。修繕積立金とは、建物の診断や修繕工事をおこなうため、マンションの住民から集められる費用のことです。
修繕積立金が未納ばかりで十分に集まっていない場合は、長期修繕計画に沿った修繕工事がおこなえない事態になります。
また何かしら不測の事態が起きて修繕工事が必要な際に、臨時で修繕金を徴収されるケースも稀にあります。
購入を検討するマンションがあれば、管理者に修繕積立金の状況を確認しておきましょう。
マンションには、それぞれ管理規約が設けられています。購入前に確認しておかなければ、重大な項目を見落とし、思いもよらないトラブルに巻き込まれることもあります。
管理規約の内容はマンションによって異なります。後悔のないよう、建物の内見と合わせて確認しておくと良いでしょう。
楽器を使用しても良いか、楽器を使いたい方は確認が必要です。楽器を使用しても良い場合、何時まで楽器を使用しても良いのか、という規約がある場合もあります。午前8時から午後8時までのマンションが多いですが、マンションによっては時間が限られた短い時間の場合もあるので、確認しましょう。
ペットOKかについては、確認する人は多いと思います。しかしペットOKでもサイズに関する制限があるマンションもあります。例えば5kg未満や体調50センチメートル以内といった制限があるケースもあります。
購入時は条件を満たしていたものの、数年後にこの基準を満たさなくなるペットもいますが、当初からそれが想定されていたのに入居すると、トラブルになるケースもあります。
十分に気をつけましょう。
中古マンション探しは、住む予定の部屋や建物の確認だけでなく、周辺環境のチェックも欠かせません。可能であれば平日や休日、時間帯を分けて以下の項目をチェックしておきましょう。
中古マンションの購入にあたり、通勤のために最寄り駅からの距離を条件に挙げる人も多いのではないでしょうか?気になるマンションがあれば、ぜひ駅まで実際に移動してみることをおすすめします。
というのも、直線距離は短くても通勤時間帯は混雑で2倍の時間がかるケースも珍しくありません。時間によっては、踏切がなかなか開かず横断できないケースも。後悔のないよう、マンション購入前にチェックしておきましょう。
マンション前の道路や駅までの道のりが安全かどうかも、注目すべきポイントといえます。狭くて車同士がすれ違うのに時間がかかる道路や、街灯のない暗い道であれば毎日不安を抱えながら外出することになります。
とくにお子さんがいる場合は、通学時間帯の安全性は気になりますよね。日中の明るい時間帯だけでなく、夕方以降の雰囲気も確認しておきましょう。
住まいの周辺環境として、スーパーやコンビニ、病院、銀行などが近くにあるかどうかは日常生活の快適さに直結するポイントです。普段よく利用する施設が近くにあるか、または不便なく通えるか把握しておきましょう。
また、お子さんがいる場合は、保育園や幼稚園、小学校などまでの距離も大切ですよね。とくに保育園は、地域によって待機児童が多いため、利用を考えている人は事前に確認しておくことをおすすめします。
マンションの管理会社が作成する、重要時刻調査報告書という書類があります。これは過去の修繕履歴や管理費・修繕積立金の滞納状況等、マンションの管理に関する事項がまとめられています。
購入を検討しているマンションについては、不動産仲介会社にこの報告書について、確認を求め、状況を確認することは大切です。
最後に、人気中古マンションを買うためのポイントを見ていきましょう。
立地がいい場所に建つ中古マンションには人気が集中します。より競争率があがることを考慮すると、理想物件を購入するために押さえておくべきポイントがいくつかあります。
結婚や出産、転勤といったライフスタイルの変化があったら、早めに中古マンションの購入を検討しましょう。
中古マンションが他の人に取られてしまう理由の一つに「いつ購入すべきか悩んでしまった」ということが挙げられます。これは金銭的な問題でクリアできないこともありますが、「まだ賃貸住宅でもいいか」とタイミングを見失い、なかなか購入を決断できないこともあるのです。
マンションを購入するタイミングは、それぞれのライフスタイルによって変わります。ただ「子どもが生まれたけどどうしよう」と悩んでいる間に、子どもの進学にあわせて引っ越しを検討したり、兄弟が生まれて部屋が狭くなったりすることは十分考えられます。
そのような状況で物件を探すとなると気持ちが焦り、理想よりも目先の問題解決を優先して妥協した物件を買ってしまうこともあります。理想とする中古マンションを購入したいのなら、ライフスタイルに変化の兆しが見えた時点で、早めに行動したほうがいいでしょう。
中古マンションを購入するには、自己資金を用意しておかなくてはなりません。
平成30年度における住宅市場動向調査報告書によると、中古マンションの平均購入資金は約2,600万円です。このうちの7割程をローンでまかなう人が多いことが分かりました。このデータによると自己資金として約800万円を準備していることになりますが、一般的には中古マンション購入時の諸費用は物件価格の1割だといわれています。
また資金計画をしっかり立てておかないと、のちの支払いで苦労することも多いです。特に中古マンションは修繕積立金が年々上がったり、固定資産税が築年数などによって変化したりということも考えられます。単純に住宅ローンだけを計算するのではなく、その他の諸費用も考慮したうえで、どの程度の物件が購入できるのか考えましょう。
参照https://www.mlit.go.jp/common/001287761.pdf
中古マンションを購入する人の中には「もう少し待てば価格が安くなるのでは」と考える人もいます。しかし、実際には中古マンションが大きく値下がることはないと言われています。
過疎地における中古マンションは、年々値下がっていて売れない物件も多く存在します。しかし都市部を中心とした人気エリアにおいては、一極集中で都市部に住む人が増えていることもあり、コロナ渦で不況になってもそれほど値下がることはないと予想されています。
中古マンションが「いつか安くなる」という期待は、あまりもたないほうがいいでしょう。待っている間に、魅力的な物件はどんどん売れてしまいます。
人気エリアに建つ中古マンションは、常日頃からチェックしている人も多く、情報が出た時点ですぐに購入されてしまうことがあります。自分の理想とする物件を手に入れるためには、普段から次のことを意識しておきましょう。
・希望するエリアや建物を絞り、空き物件が出ないか常にチェックする
・内覧はなるべく早く行い、日にちを空けない
・予算内に収まる理想物件が出たらすぐに決断する勇気をもつ
中古マンションは一点ものであり、同じような物件が再び出る可能性は低いです。「これだ!」と思う物件があれば、その場で決断する勇気も必要でしょう。
何も決めずに中古マンション探しを始めると、途中で迷いが出たりや購入後の後悔につながったりするかもしれません。事前にこだわりの条件を洗い出し、内見時にはマンションの室内設備、管理状況、周辺環境などを漏れなく確認しましょう。
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更新日:2021年11月15日
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